起業のきっかけを教えてください。
大学に入る前は研究者になろうと思っていたんです。
でも、先輩を見ていたら、大学も「政治の世界」ということがわかったんです。研究費がないと研究も出来ないし、地位も与えられないし、助手にもなれないんです。いま結構、事業仕分けの対象にもなっていますよね。ですから、研究者への道はなかなか厳しいなーと考え始めたんです。それで研究者になるのも諦めて、ダラダラしていたんですよね。麻雀やったり、競馬やったりとほんとにダラダラしていました。
それまでのアルバイトは塾講師とか日雇いのイベントとか時給の高いバイトばかりやっていたんですけど、ちょっとまともな人間になろうと思って、コンピューター関係のバイトを始めました。そこで、まともな人間になったんですけど、時給は低かったんですよね。しばらく頑張ったんですが、最初の会社は時給も上げてくれないので、別の会社に移りました。そして、そこで初めてMacに出会ったんですよね。これまでパソコンっていうと、真っ黒の画面に文字が出てくるような地味な世界でしたので「絶対、これではモテないなー、仕事にするのは辞めよう!」という風に思っていました(笑)。でもMacを見た瞬間「これならカッコいいぞ!」なんてことを思ったんですよね。「俺、パソコンの仕事やっています!Mac 使ってるんだよね〜。」と言えるぞ!と。いまでこそITは花形の職業ですが、その当時は20年近く前ですので、当時はそんなコトはなかったんですよね。「SEって何それ?」みたいな世界ですよね。でも、Macを見た瞬間、「これは変るぞ!パソコンの仕事は花形職業になるし、大きな産業規模にもなるぞ!」と感じました。
そんな感じで、バイトにどんどんはまっていきました。そこでインターネットに出会ったんですよね。Macは当時からネットワークと親和性の高いパソコンでした。その頃から一歩先行く会社なんですよね。例えば、iPhoneとかってSDカードスロットルついていないじゃないですか?でも、通常の携帯にはついていますよね。これは「データはSDカードではなく、無線インターネットでやり取りする時代だ!」ていうスティーブ・ジョブスからのメッセージなんですよね。当時のMacも同じで、フロッピー・ディスクでファイルを交換するのが当たり前の時代にMacはネットが前提の難しい知識の必要ない、いわゆる LANを組んでファイルを交換するということを普通にやっていたんですよね。
「なんなんだ、これ、すげー!」という感じでした。世界中にメールが送れて、WWW(ワードワイドウェブ)がどんどん出てきて。それでバイトしていた会社で、ネットを使った新しい事業を立ち上げようということになって、僕が中心となって2年間それを続けて、その後に起業したというのが始まりです。
インターネットの可能性をその頃から感じていたのですか?
ぼんやりとしたイメージ(直感的)ではありましたね。それを突き詰めていくために、まずは一生懸命、インターネットを勉強しました。インターネットのすごいところは、いろんなレイヤーごとに、プラットホームがあって、そこで競争が繰り広げられることなんですね。たとえば、テレビで言えば、無線でしか送れませんよね?でもIPに変換したら、何でも送れるわけです。IPに変換した瞬間、世界でどこでも受信できるわけです。そして、インターネットの世界では光ファイバーとWiMAXでお互い競合していますから、料金を安くしようとするし、カバーエリアを増やそうとするし、そこで競争が生じるわけですよね。そんなようなことが全部の7つのレイヤーで起こっているので、どんどん便利になっていきますよね。そこで新しいサービスが出てきたり、レイヤーごと取り替えることもできるようになるわけです。今日までは光ファイバーを使っていたけど、ワイヤレスに取り替えようぜ!みたいなことも可能なわけです。ですから、なんでもこの上に乗っちゃうなーと思ったんです。つまり、ショッピングとかテレビとか。。あとはハードルになるのは、意外にみんなは生活習慣を変えることを嫌うので、そういう障壁はあるかな〜とは思います。
まあ、インターネットというのはすべてを包括する概念であるんですよ。その概念が非常に大事なんです。

起業家にとって必要な資質とは?
みなさんは多分、経営者って言うと、大企業の経営者をイメージされていると思うんですよね。でも、社員一人でも社長は社長で、経営者は経営者でしょ。それは誰でもできると思いません?たとえば、ボートに乗っていたとして、誰でもボートを漕げると思うんですよ。それと同じだと思っています。僕の友人には突然、親が亡くなっちゃって、嫌々ながら飲食店を引き継がなきゃいけなくなった経営者もいるわけです。彼に資質があるかどうかは関係なく、もう経営者をやっているわけですよね。それは資質がどうこう・・ということでは説明できませんよね。そういう彼を見ていると、「誰だってできるだろ!」と思うわけです。だからやる気があるかどうかは関係ない。やるかやらないかだけですね。
消えていった起業家達の特徴は?
共通点はないです。運とか状況とか、いろんな要素があるわけです。たまたまうまく行った起業家なんていっぱいいますよ。僕だって、ネットバブルの前に上場できたとか、そういった運もあるわけです。インターネットにすごい段階で出会えて、それをすごいと思えたとか。
ちょっとした違いに過ぎません。でも逆に言うと、絶対にうまくいく人はいます。頭がいいとか機転が利くとか。だめなときにどうなるかっていうことを常に想定しているんですよね。撤退が上手とかね。ビジネスがうまくいくかどうかは複合要因なわけです。運が良かった、選んだ事業が良かった、時期が良かった、立地が良かったなどなど。でもうまくいってる人はなんだかんだ言っても頭いいですね。「頭いい」というのは情報量の差です。情報によって、機転の利かせ方とかが変わってくるわけですね。
「起業したら遊ぶな!」なんてことを言う方もいますが、実際どうでしょうか?
それは自分がどうなりたいかに拠るんじゃないですかね。僕の場合はインターネットに出会ってから5年間ほどはハマリまくっていましたから、結果的に遊びませんでしたけど。でも、寝食は忘れていません(笑)。よく寝て、よく食べてました。本当に楽しい仕事をさせていただいていたので、孤独とかストレスとかも感じることはなかったですね。
バーチャルオフィスってご存知でした?
もちろん知ってましたよ。この時代、調子いいみたいですね。実は僕も使っているんです。僕は六本木のバーチャルオフィスを使っているんですよ。ライブラリーがあって、会議スペースも大きいのから小さいのまであって、24時間開いてるし、とても便利です。使った分だけ料金支払えばいいですからね。僕も住んでいる家から2〜3分のところですので、よく使っています。好きなときに自由な場所で働くというスタイルが今後も増えていくんじゃないでしょうか?
とくにネットでビジネスやっている人はそれで十分なんじゃないかと思いますよ。みんなネットのリテラシーも高いから、Google apps使って情報を共有したりとか。そんな感じで在宅で仕事できたりする「自由な働き方」が確立されていくんじゃないかと思います。
これから起業したいという方に向けてのメッセージは?
これからどうなりたいか?どうしたいか?ということが大事なんだと思います。やりたいことを「起業」をすることで形にするというのが大事かな、と思います。僕の場合はいろんなことがやりたいので一生懸命仕事して、それを新しいことに投資して、いろんなことにチャレンジしたいわけです。たとえば、50歳でリタイヤして、ハワイに移住するというのもまた、そんな生き方もありですし。
何度も言いますが、「自分がどうなりたいか?何がやりたいか?」が大事です。











