テレワークの普及とともに一般化したweb会議ツール。なかでもZoomは国際会議でも利用され、いまやweb会議ツールの定番です。オリコン顧客満足度ランキングでもZoomが1位を獲得しました。
続いて2位はGoogle Meet、3位はTeams、そして4位がWebexです。どれも知名度の高い、便利なツールですよね。しかし、どんなツールにも不具合は起こるもの。
自分のPC環境ではなぜか声が途切れがち…というとき、別のツールも使えると安心ですよね。万が一、システムダウンや問題が起こった時の備えにもなります。
今回はGoogle Meet・Teams・Webexを、Zoomとも比較しながら紹介します。
▼ 目次
1. Google Meet・Teams・Webexを比較!Zoomとの違いは?
1-1. Google Meetならセキュリティも安心!
1-2. いまならTeamsの無料版も時間制限なし
1-3. Webexなら高画質での通話も可能
1-4. Zoom・Google Meet・Teams・Webexの比較表
1-5. 「途切れない通信」には通信量とネットワーク環境が重要
2. Google Meet・Teams・Webexの特徴と適したシチュエーションとは?
2-1. たくさんの相手とやりとりするときにはGoogle Meetが便利
2-2. 社内で使うときはTeamsが活躍
2-3. Zoomの代用品としてはWebexがおすすめ
3. 無料版と有料版では機能や利用人数に違いが!どちらがいいの?
3-1. フリーランスや個人の使用なら無料版がおすすめ
3-2. 法人や企業がビジネスで使うなら有料版も検討を
4. web会議ツールはひとつじゃない!Zoom以外のツールも準備を
Google Meet、Teams、そしてWebex…どれも聞いたことはあるけれど使ったことはない、という人も多いのでは。新しいツールも使えるようになりたいと思っていても、Zoomに慣れていると使い勝手や操作方法に戸惑うかもしれません。
ここでは3つのツールをZoomと比較して、それぞれの特徴をまとめました。
企業機密を取り扱うこともあるweb会議。セキュリティには万全を期したいところです。2020年の春ごろにはZoomのミーティングPWが第三者に漏洩するなどの、いわゆる「Zoom爆弾」と呼ばれるトラブルも問題になりました。
現在ではZoomも暗号システムなどが改善されていますが、より強固なセキュリティを搭載したweb会議を希望する場合はGoogle Meetもおすすめです。
Google Meetには、25種類10列の文字を使用した複雑な会議コードやウイルススキャン機能による不正ソフトウェアの検出機能がついています。また、カスタム設定で2段階認証なども利用できます。
有料版の料金は「ベーシック」が680円、「ビジネス」が1360円。Zoomは最安値の「プロ」が1600円、「ビジネス」1900円なので、その半額程度です。普段からメールやカレンダーなどでGoogleを利用している人は、連携することでさらに便利に使用できます。
ただし、参加人数の上限は有料版でも最高250人。Zoomは有料版の「企業」コースなら500人まで参加が可能です。
同一組織内のユーザーであればGoogle Meetでもライブストリーミング配信ができますが、不特定多数の参加が見込まれるイベントなどにはZoomのほうが適しています。
多くのweb会議ツールには有料版と無料版があります。たとえばZoomの場合、無料版には2人以上の会議は40分まで、参加人数は100人までです。無料版を大きな会議に使うのは不安が残ります。
一方、Teamsはいまなら無料版でも30時間までは時間制限なし!参加人数も300人まで対応しているので、一般に広く公開したい講演や集会などでも安心です。
TeamsのHPによるとこの処置は期間が限定されているそうですが、その期限は「未定」(2021年9月時点)。今後数か月間は安心して使えそうです。
ただし、Teamsで録画機能が使えるのは有料版だけ。Zoomは無料版でもローカル保存の録画に対応しているので、記録に残したい会議を無料版で開催したいときは、Zoomを利用しましょう。
なお、TeamsはMicrosoft officeのアカウントで利用ができるので、すでに有料版のMicrosoft officeを利用している人なら追加料金なしに利用することができます。
一般的にweb会議ツールの画質や音声は質の低いものが多いと言われています。特にテレワークでのweb会議だと、PCやネットワークの環境によっては相手の声が聞き取りづらかったり、表情の変化が見えにくかったりしますよね。
Zoomで共有した画面に動画を流したら、「細部を鮮明に表示することができなかった」なんてこともあるのでは。
Webexは高解像度(HD)ビデオのオン・オフを設定できることも特徴です。オンにすれば高画質な映像を共有でき、参加人数の多い会議や声をクリアに届けたい講演会でも鮮明で明確な動画でのやり取りが可能です。
無料版でもPC上にミーティングの録画データを保存ができるので、参加できなかった会議を後から視聴する場合でもきれいな動画で確認することができます。CPUに余裕がない場合や自宅などであまり細部まで見られたくない場合には、このモードをオフにすることも可能です。
また、Zoomは有料版でのみ投票機能が利用できますが、Webexは無料版でもアンケート機能が使えます。
さらにWebexはコラボレーションツールとして開発されているため、複数のプロジェクトやチームをわけての会議も設定できます。
それぞれのグループの中での情報共有がスムーズに行えるので便利ですが、web会議だけに使用するのであれば、Zoomのほうが操作はシンプルです。
Zoom・Google Meet・Teams・Webexのそれぞれの特徴や違いを、比較表にまとめました。
特徴 | 人数・会議時間 | 録画 | 投票・アンケート | 料金 | |
---|---|---|---|---|---|
Zoom | 知名度No.1 | 無料:100人・40分 有料:最大500人・無制限 |
無料:ローカル保存 有料:クラウド保存可能 |
無料:なし 有料:あり |
有料:1,600円~ |
Google Meet | 安心のセキュリティ | 無料:100人・1時間 有料:250人・24時間 |
無料:なし 有料:Googleドライブ保存 |
無料:なし 有料:あり |
有料:680円~ |
Teams | 無料版でも充実 | 無料:300人・30時間 有料:300人・24時間 |
無料:なし 有料:クラウド保存 |
Microsoft Formsを利用可能 | 有料:540円~ (office365) |
Webex | 高画質・高音質 | 無料:100人・50分 有料:最大200人・24時間 |
無料:ローカル保存 有料:MP4 ・クラウド保存 |
無料:あり 有料:あり |
有料:1,490円~ |
特徴 | |
---|---|
Zoom | 知名度No.1 |
Google Meet | 安心のセキュリティ |
Teams | 無料版でも充実 |
Webex | 高画質・高音質 |
人数・会議時間 | |
Zoom | 無料:100人・40分 有料:最大500人・無制限 |
Google Meet | 無料:100人・1時間 有料:250人・24時間 |
Teams | 無料:300人・30時間 有料:300人・24時間 |
Webex | 無料:100人・50分 有料:最大200人・24時間 |
録画 | |
Zoom | 無料:ローカル保存 有料:クラウド保存可能 |
Google Meet | 無料:なし 有料:Googleドライブ保存 |
Teams | 無料:なし 有料:クラウド保存 |
Webex | 無料:ローカル保存 有料:MP4 ・クラウド保存 |
投票・アンケート | |
Zoom | 無料:なし 有料:あり |
Google Meet | 無料:なし 有料:あり |
Teams | Microsoft Formsを利用可能 |
Webex | 無料:あり 有料:あり |
料金 | |
Zoom | 有料:1,600円~ |
Google Meet | 有料:680円~ |
Teams | 有料:540円~ (office365) |
Webex | 有料:1,490円~ |
web会議中に突然音が聞こえなくなったり、通信が落ちてオフラインになってしまったり…重要な会議で不都合が起きると困りますよね。予想外のトラブルを防ぐには、通信環境を安定させることが重要です。
Callingの調査では、1対1での通話を1時間続けた場合の通信料は以下のようになりました。「音声のみ/ビデオ通話」の2つを記載しています。
・Zoom…78.6MB/498MB
・Google Meet…52.8MB/816MB
・Teams…45.6MB/1.300MB
・Webex…45.6MB/958.2MB
ビデオ通話の場合はZoomが最も通信料が少ないという結果に。ただし、音声のみの場合はTeamsが最も軽くなります。また、通信量が少ないということは、画質や機能が劣るということでもあります。目的や用途にあわせて使い分けましょう。
通信状況はネットワーク環境にも大きく左右されます。同じ場所でZoomを使う人が多ければ、ビデオ通話でもほかのツールのほうが安定するということも。
どうしてもうまくいかない場合に備えて、日ごろから2つ以上のツールを縦鼻しておくのが安心です。
Zoomとの違いを確認したところで、今度はそれぞれのツールの利用方法と適したシチュエーションを紹介します。
Google Meetを使用するメリットは、なんといってもその手軽さ。特定の相手だけでなくその時々で打ち合せの相手が違うという場合でも、汎用性の高いGoogleアカウントを利用したGoogle Meetならすぐに会議を用意できます。
Googleアカウントさえ持っていれば、Googleカレンダーから直接スケジューリングすることも、メールでweb会議の情報を送付することもできます。メーリングリストを使用して大勢の参加者に一度に招待状を送ることもできるので、定期的な会議の連絡も簡単に。
前述のとおり、安全性の面でもGoogle Meetなら安心です。
また、「こえもじ」というGoogle Chrome拡張機能を使えば、会話の文字起こしも自動的に作成されます。チャットのログもダウンロードもできるので、議事録作成の手間を軽減できます。
取引先との打ち合わせでは、情報の行き違いは絶対に避けたいもの。やりとりを文字で残すことができるというのは安心ですよね。
社外会議や取引先との打ち合わせのなど、重要な情報を漏れなく、安全に共有したい会議にはGoogle Meetが便利です。
勤務中、ちょっと確認したいことや簡単な打ち合わせがしたいときがありますよね。同じオフィス内にいれば話しかければ済むことですが、テレワーク中はそうもいきません。そのためにいちいちZoomでミーティングを設定するのは面倒だと思っているなら、Teamsがおすすめです。
TeamsはMicrosoftアカウントを利用しますので、会社全体で企業アカウントを取得している場合も多いですよね。TeamsならURLを発行したりミーティングを設定したりする手間がなく、思い立ったときにすぐ会議を始められます。
またTeamsのweb会議では、Word・Excel・Powerpointなどのアプリを連携することができます。Teams上でこれらのアプリを起動すれば、その場で共同編集が可能。その場で話しながら作業が進められるのは便利ですよね。
さらにTeamsなら、他言語の相手とのチャットを翻訳する機能も!海外の専門家を招いて意見を聞きたいときなどにもおすすめです。
ほかにもオンラインでの研修や講義などの際に、実際に手を動かしながら理解することができるので効率的です。Teamsではweb会議以外にも、チャットやこれまでのデータファイルの管理、参加しているチームの確認など、プロジェクトの全体を管理することもできます。
ログが残しておけるので、あとから確認したいときや欠席者への対応もスムーズに行えます。
Webexの開発者にはZoom創設者が含まれていたそうで、Webexの使い方はZoomとよく似ています。Zoomを使い慣れている人なら、直感的に操作できそうです。
ミーティングの設定やスケジューリングの画面もZoomとよく似ているので、迷わず設定ができますよ。また、ファイル共有機能、ホワイトボード機能など、会議の終了後に共同作業を進めるためのツールも使用できます。
Webexはセキュリティ面でも評価が高く、画像の質もよい高機能なweb会議ツールです。Zoomの代用品としてのツールを探しているなら、Webexがおすすめです。
ただし、Webexでバーチャル背景が用意されているのはiPhone・iPadのみ。PCから接続する場合は部屋の中が映り込んでしまわないよう、カメラの位置を確認しておく必要があります。
普段はZoomを使っているけれど不都合に備えてもう1つ、というときにはWebexがおすすめです。
無料版と有料版のあるweb会議用ツール。安いほうがお得では?と思いがちですが、用途によっては有料版のほうが適している場合もあります。
ビジネスで利用する際に無料版と有料版に悩んだ時、確認したいことをまとめました。
フリーランスで働いている方や個人同士の付き合いのために使用するのであれば、無料版が手軽です。無料版と言っても機能は充実していますし、短時間・少人数で使う分には制限も特に気にしなくてもよいでしょう。
テレワーク中、個人的にちょっと業務について相談したいという程度であれば、公式のweb会議ツールとは別にチーム内で無料アカウントを作り、独自のサポートチームを結成しておくという使い方も。費用がかからないので、気軽に用意ができることは無料版のメリットです。
ただし、ビジネスでの使いやすさという面ではやはり有料版に劣るところも。ツールによっては録画したデータをクラウド保存できなかったり、投票などが使えなかったりと機能に制限があります。
会議時間に上限があるのも無料版のデメリット。こうした仕様に不都合を感じ始めたら、有料版へ切り替えるタイミングかもしれません。
企業全体での会議や一般の人も参加できる講演会など、規模の大きい使い方を想定しているときは、やはり有料版が安心です。録画機能やその配信なども、有料版ならクラウドで行えるツールもあります。
また、取引先との公式な会議としてweb会議ツールを利用する場合に機能が一部制限された無料アカウントだと、会社の印象に影響が出ることも。「きちんとした印象を与えたい」というときには、有料版のほうが適しています。
有料版の法人コースを使えば組織内のアカウントは有料版で使用できます。どこからでもログインできるので、テレワークのときもオフィス勤務のときと同じように会議を進めることができます。
組織内のメンバーが同じツールを使っているというのは、データを共有する際にも便利です。企業や法人などの規模でビジネスとして使う際には、やはり有料版のほうが有益だと言えるでしょう。
web会議のためのツールには、それぞれの特徴があります。使用目的や状況によって、適したものを選ぶのが理想です。そのためには普段から、複数のツールの使い方を知っておく必要があります。
特に別々の状況で自由な働き方を選べるテレワーク時には、自分と相手の使い慣れたツールが違うことも。取引先から打ち合わせの打診があったときにも、用途に適したツールを提案できれば相手からの信頼にもつながります。
通勤時間がなくなり、時間的に余裕ができやすい今こそ、代表的なweb会議ツールを使いこなして業績アップを目指しましょう。