仕事(案件)が多いフリーランスエンジニア。平均収入が高く、働く時間や場所も自由度が高いため、目指している方々も多いです。
高いスキルがないとできない職業と思われがちですが、医者や弁護士などと違ってプログラマーに国家資格は必要なく、実務経験を積めば仕事を受けることができるようになります。
実際、筆者は普通の文系大学出身であり、未経験からスタートして、現在はフリーランスエンジニアとして独立を果たしています。皆さんにおすすめなのは正社員をしながら副業でプログラミングを始める働き方です。
その反面、自分自身で仕事のコントロールができないと、セルフブラック労働になり健康や精神を崩してしまうきつい仕事になる可能性もあります。
本記事では、未経験からどのような過程を経てフリーランスエンジニアになれるのか、実際の働き方やリアルな事情をお伝えします。
▼ 目次
1. 本当にフリーランスエンジニアになりたいのか
1-1. メリット
1-2. デメリット
2. 実際にフリーランスエンジニアになるには(勉強編)
2-1. 正社員&アルバイトになる
2-2. プログラミングスクールに通う
2-3. 職業訓練を受ける
2-4. インターンシップを使う
3. 実際にフリーランスエンジニアになるには(案件受注編)
3-1. エージェント
3-2. クラウドソーシング
3-3. 人脈
3-4. SNSなど
4. フリーランスエンジニアである筆者の場合
5. フリーランスエンジニアにとって実はスキルより大切なこと
もしかしたらフリーランスエンジニアという職業を自由気ままに働ける楽な職業などと勘違いされている方もいるかもしれません。
しかし実際は、収入面で会社員のように毎月安定した給料収入をフリーランスは保障されていません。また、実績の少ない最初のうちは契約条件が良くない場合もあり、通勤をしない在宅ワークスタイルが厳しいこともあります。
なので、まずはフリーランスエンジニアのメリットとデメリットを見て本当になりたいかを考えてみましょう。
業務委託案件の場合、納品物に対して報酬が支払われるため、好きな時間に好きな場所で働けます。
特にWeb制作の案件では在宅ワークの可能性がさらに高くなりますので、HTML, CSS, Javascriptなどの言語スキルを身につけると良いでしょう。
好きな場所で働けることで、家賃などが安い田舎へ行くとか、在宅ワークで自炊をして節約できるので、趣味にお金をかけることもできるようになります。
会社員の場合、どんなに仕事ができるエンジニアでも、いきなり収入が上がるということは中々ありませんよね。
しかし、フリーランスの場合は、できる仕事の幅が増えれば1案件の単価を上げられるため、収入が上がる可能性もあります。
例えば、要件定義や詳細設計書の作成などできる工程を増やすと、その部分も自分で対応できるので、1案件の単価アップにつながります。
プログラミングの細かい設計の意思共有や進捗報告など、ちゃんとしたコミュニケーションができるというのも、行間を読むことが多かったりチームで作業することが多いフリーランスエンジニアにとっては案件の単価アップのための大事な要素です。
エンジニアだけでなく、フリーランサー全般に言えることですが、毎月固定の給料がもらえるわけではないので、収入が不安定になる可能性はあります。
しかし、エンジニアは今現在、需要が高い仕事の1つです。
継続的に案件が入り続ける保障はありませんが、クライアントが期待するスキルを身につけていれば、契約を切られる可能性は低くなります。
基本的はエンジニアの仕事は、仕様のヒアリングやテスト、環境設定の補助です。
しかし、フリーランスのエンジニアは、他にも自分の不出来や取引先の要望により深夜や休日での作業なども発生しますし、確定申告も行わなければいけません。
フリーランスでセルフブラック労働になる人は意外といるようです。
以上、よほどやりたい人でない限りはデメリットが大きいと感じています。
まずは勉強方法について筆者の意見ですが、吸収する速度が全然違うので、独学は正直おすすめしません。
実績を積みながら学ぶのが、結果的に一番早いでしょう。
おすすめなのは正社員をしながら副業でプログラミングを学ぶ方法です。定期的な収入で安全に挑戦できますし、よほどじゃない限り多少我慢してでも正社員を続けながらフリーランスの準備をする方が良いです。
まずはスキルを身につけて実績をどんどん作りましょう。実績がないとなかなかフリーランスエンジニアとしてやっていけません。また、人脈を獲得するためにも、一度正社員になるのがよいと思います。
会社は役に立つ人材に育ってほしいのですから、どんどん実績を積ませてもらえますし色々な人と知り合えます。
さらに、未経験歓迎の会社なら一から勉強させてくれるでしょう。実際に私は未経験から就職しました。
また、アルバイトの場合、評価されると正社員へ昇格する誘いがくることもあるでしょうからそのタイミングでフリーランスの話を持ち出すのもよいのではないでしょうか。
これは民間が行っている、主に短期的なプログラミングスクールのことです。大学や専門学校に通うよりリーズナブルで早く学べますし、就職支援などもしてくれます。
有名なプログラミングスクロールは「テックキャンプ」というものがあります。
これも短期的にプログラミングを学べますが、メリットは無料、そして失業給付や求職者支援制度の給付金をもらいながら学べるというところです。
ただ、雇用されている状態だと職業訓練は受けられませんので、現在働かれていない方などにおすすめですね。
現在働いている方が仕事を辞めてまで職業訓練に行きプログラミングを学ぶ必要はないと思います。
ちなみに私も半年ほど無職でしたので、こちらを受けるのもありだったと思っています。
これは大学生限定でしょうが、実際に働いてみながら勉強できます。
他の勉強方法もそうですが、実は好きじゃないと気づいたり向いていないと思ったりしたときは、エンジニア以外の他の道を考えるのもありだと思います。
同じフリーランスでもライティングや動画編集、翻訳やデザインなどたくさんありますから。
では実際にフリーランスエンジニアはどのように仕事をいただくのかを見ていきましょう。
正直、仕事をいただくことが一番の難関です。
求人サイトのようなものですが、自分のスキルに合わせて提案などもしてくれる仲介です。
有名なエージェントサイトはITなどが専門の「レバテック」というものがあります。
フリーランスになったけど、また通勤してもいいからとにかく稼ぎたいという人は特におすすめです。案件に契約すると、紹介してもらった代わりに仲介手数料が報酬からひかれます。
営業を代わりにしてくれるようなものなので、営業がどうしても苦手だという人は活用するべきですね。
仕事を頼みたい人から仕事を受けるサービスです。簡単な案件も多いため実績を積むのにももってこいです。
納品までの流れを実際に学べるため、大切な経験になります。
良い評価がもらえると逆に指名していただけたりする可能性もあります。
実績の数や評価がプロフィールにたまっていくのでモチベーションも上がるでしょう。
有名なクラウドソーシングサイトは「クラウドワークス」や「ランサーズ」があります。
こちらも案件を完了すると仲介手数料がひかれるようになっており、安い仕事ほど多く手数料を取られます。
加えて、スキルがない人には特に安い値段で発注されている仕事が多いため、駆け出しフリーランスにとっては苦しいかもしれません。
元居た会社や、たまたま知り合いの社長などから仕事を受ける形です。
知っている人というのは仕事を頼みやすいですから意外と一番強いと思います。なので、コミュニケーション能力に自信がある人はこの方法に挑戦してみるとよいでしょう。
交流会などに行って人脈を増やすという方法もあります。
仲介がなく、会社から仕事をいただくので一番報酬が高くなります。
それに、クライアントからすれば順調に取引できれば新しい人を探す必要がないので継続的に案件をいただける可能性も高いです。
SNS経由だと見ず知らずの人に発注しますので少し難易度は高いですが、実際には結構あります。
ただ、仕事をしたのに金を払わず逃げるような人がいるみたいなのでかなり注意が必要です。これも仲介がないので手数料はありませんが、大体個人からの依頼ですので金額は高くありません。
具体的な例を挙げるために、1年以上フリーランスエンジニアとして活動している筆者の話をしようと思います。
現状は在宅ワークで細々とやっています。大学を卒業後、半年ほど無職でしたがこれではいけないと思いプログラミング会社に就職。約一年後、フリーランスになり現在に至ります。
ただいまの私の月収は約15万程度。
正直ギリギリアウトくらいなので、現在いろいろと仕事を取ろうと試行錯誤している最中です。もしうまくいかなければもう一度正社員やアルバイトとして働く意気込みです。
実際はアルバイトをしながらフリーランスを続けるという折衷案が一番近いと思います。
主に運よく獲得した人脈からの仕事。あとはクラウドソーシングで積極的に営業をかけています。後々、もっとスキルアップしたときにはエージェントやSNSも活用する予定です。
コミュニケーションが得意ではないので、よりによって一番大変な営業がさらに大変です。運動部だったのですが体育会系のノリというか礼儀は役に立っているのかなとは思っています。
フリーランスエンジニアの中でも在宅ワークでやらせていただいています。
健康に気をつけていて、座りっぱなしなので運動不足を解消するために散歩や趣味の筋トレに励む日々。
昔からアルバイトは得意ではなかったので、正直家で働けるのは大変幸せです。しかし、金銭的な心配が尽きないのでなかなか気苦労が絶えません。
結論としては、「なってよかった」ですが、もう少し準備すればよかったと思っています。
さて、最後にフリーランスエンジニアにとって大切なことを2つお伝えします。
それは「健康の維持」と「メンタルの強さ」。この2つがあればスキルなんて全くなくても余裕でしょう。
フリーランスは有給なんてものはなく、病欠を有給扱いのようなことはできません。
フリーランスとして会社と契約した場合だと、正社員と違って契約を簡単に切られるため病欠が増えるとすぐに契約を切られるでしょう。
それにしっかり栄養を摂らなかったり、しっかり睡眠をとらなかったりすると、ものを覚えにくかったりパフォーマンスが単純に下がるんですよね。
もともと引っ込み思案なのもありますが、自宅で働いている私にとっては人との関わりが少なくなって心細いことがあります。
それに仕事や貯金がなくなるなど金銭面の心配もあります。もしくは筆者のような心配性だと会社と契約している場合、いつ契約を切られるかというような心配もあるのです。
そうなると、精神面が体の不調につながることもあるでしょうし、最悪働けなくなるなんてこともあると思います。
逆にメンタルがとても強い人はどんどん行動できて、失敗も恐れないので自分がしっかりしないといけないフリーランスエンジニアにとっては強みです。
最後に、フリーランスやエンジニアはあくまで手段です。家で働きたいというなら在宅ワークの会社という選択肢もありますし、他の業種でフリーランスになれば、もっと自由な働き方ができるかもしれません。
まずは、自分はどうなりたいかから考えてみるのもよいのではないでしょうか。