働き方改革が進むなか仕事環境がテレワークに移行し、社内外問わずコミュニケーションは、パソコンやスマートフォン、タブレットを使ったウェブ会議などのオンラインでというケースが増えています。
ほとんどのパソコンやスマートフォン、タブレットにもスピーカーやマイクが備わっていますが、別途マイク付きのイヤホンを用意したほうが、外部に情報を漏らさず安全で、音質も良くなるなど利点は多いです。
そこで、テレワークで使用するマイク付きイヤホンの選び方とオススメのモデルを紹介します。
▼ 目次
1. テレワークでマイク付きのイヤホンを使うべき理由
2. 有線よりも無線のほうがラクチン
3. ノイズキャンセリング機能は種類に注意
4. おすすめのマイク付きイヤホンを紹介
4-1. 自宅でのテレワークに最適な骨伝導モデル
4-2. 作業中も集中できる多機能タイプ
5. まとめ
ひと口にテレワークといっても、働く場所は人それぞれ違います。
ほかに人が入ってこない自室がある場合は問題ありませんが、家族のいるリビングや街中のカフェ、コワーキングスペースでは、パソコンやスマートフォンのスピーカーを使うと音がほかの人にも聞こえてしまいます。
これは単に迷惑というだけでなく、ビジネス上の重要な機密が漏れてしまう可能性も高く、たとえ家族といえどセキュリティー上の対策としてテレワークにイヤホンは必須といえます。
マイクもデバイスに機能として備わっているケースが多いですが、別途用意することをオススメします。
特にパソコンの場合、ウェブ会議はキーボードを操作しながら行うので、パソコン本体にあるマイクだと、キーを叩く音や振動を拾いやすく雑音の元となってしまいます。
その点、別途マイクを用意すれば本体から離れているので、パソコン自体の騒音を拾いにくく、相手に不快な思いをさせずにすみます。
また、イヤホンとマイクをそれぞれ別途用意するより、マイク機能を装備したイヤホンを選択したほうが接続設定など簡単です。さらにイヤホンとマイクが別の場合、ハウリングを起こしてしまう原因にもなります。
パソコンやスマートフォンの設定に詳しくない場合は、マイク付きのイヤホンを使ったほうが使い勝手もいいし、簡単というわけです。
マイク付きイヤホンは、3.5mmのイヤホンジャックやType-C端子に接続する有線タイプと、Bluetooth接続を使った無線(ワイヤレス)タイプがあります。
有線タイプは基本的には電源不要でコネクターに挿すだけで使えるので簡単です。また、音の遅延なども少なく、ウェブ会議などの場合は気になるレベルではありません。ゲームをする場合にも向いています。
ですが有線の場合はケーブルの長さがあるので、ちょっと移動したいといったときには、その都度イヤホンを外す作業が面倒です。さらに装着時のケーブルの煩わしさも気になるポイント。
無線タイプの場合は、パソコンやスマートフォンと物理的につながっていないので、ケーブルがまとわりつくといった煩わしさはありません。休憩などでちょっと移動したい場合も、装着したまま動けます。
また、気になるバッテリーも、最近は数時間の連続利用ができる物が多く、通常のウェブ会議なら問題なし。休憩や未使用時に充電しておけばオーケーなので、バッテリー切れで使えないという心配はほとんどありません。
ウェブ会議で使うマイク付きイヤホンを購入する際は、騒がしい中でもクリアな音質で通話ができるため「ノイズキャンセリング」機能を搭載したモデルがオススメ。ただし、ノイズキャンセリング機能は大きく分けて2種類あるので要注意です。
ひとつは「アクティブノイズキャンセリング」で、こちらは主に音楽や映画視聴用の機能です。
イヤホンに搭載されたマイクで外部の雑音を検知して、電気的処理で消去することで静音状態をつくることができます。ウェブ会議というようりも、作業に集中したいという人にピッタリの機能です。
もうひとつは「CVC(Clear Voice Capture)ノイズキャンセリング」で、こちらは通話時に効果のある機能。
マイクが拾ったノイズを除去して送信してくれるので、相手にクリアな音声を届けられます。ただしCVCノイズキャンセリングはアクティブノイズキャンセリングのような静穏状態をつくる機能はありません。
ウェブ会議がメインならCVCノイズキャンセリング機能搭載モデルでも十分効果を得られますが、マイク付きイヤホンによっては、両方の機能を装備している場合もあるので、自分の仕事環境にあわせてチョイスしましょう。
cheero TouchBone 6580円(税込)
モバイルバッテリーなどスマートフォンアクセサリーを販売しているTRAのブランドcheeroのイヤホン。
従来のイヤホンとは違い、耳にスピーカーユニットを入れるのではなく、骨伝導ユニットで音を聴覚神経に伝えるタイプです。
骨伝導タイプといっても、聞こえ方は普通のイヤホンと同等。しかも耳を塞ぐことがないので、外の音も聞こえやすいのがポイント。
自宅で作業している場合、宅配などの訪問でチャイムが鳴ったり、家族からの会話などをしっかり聴き取れるので便利です。
また、耳孔に入れるのではなく、ネックバンド型で耳にかけるだけなため、長時間装着していても負担が少ないのもメリットです。
バッテリーは約90分で満充電となり、約5〜6時間の連続通話が可能なので、日中仕事で使うぶんには十分なスタミナがあります。
CVC8.0ノイズキャンセリングにも対応しているので、ウェブ会議などの通話時には相手にクリアな音を届けられ、ストレスなく会話もできるようになっています。
発売時期 | 2020年8月 |
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サイズ | W137 x H49 × D102mm |
重量 | 約34g |
Bluetooth Ver. | Ver.5.0 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
防水規格 | IPX5 |
充電時間 | 約1.5時間 |
連続通話/音楽再生時間 | 約5〜6時間 |
主な付属品 | 充電用USB-A to micro USB ケーブル、取扱説明書/保証書(1年間)、Touchbone専用ポーチ |
AVIOT TE-D01m 1万2,375円(税込)
左右独立した完全ワイヤレスタイプのイヤホンです。コンパクトながら最大6時間の連続通話時間とスタミナも十分。さらに本体ケースに装着すれば約1.5時間で満充電となります。
ちなみに、左右のどちらか片方でも使用可能なので、連続通話時間が6時間を越える場合は、片方は装着して片方はケースで充電するといった使い方もできます。
ノイズキャンセリングはアクティブとCVC8.0の両方に対応。
ウェブ会議などの通話時はCVC8.0ノイズキャンセリングで高品質な音声を相手に伝えられ、作業時にはアクティブノイズキャンセリングで静寂な環境をつくって作業に集中できます。
その逆に、外部の音を取り込んで聞こえる「アンビエントマイク」機能も搭載。
移動中にアナウンスを聞いたりなにか話しかけられたりするようなケースでは、このアンビエントマイク機能をオンにすれば、スマートに対応できます。
AVIOTは日本発のオーディオメーカーで音質にもこだわっており、音楽や映画、ドラマなどを視聴する際にもピッタリ。仕事だけでなくプライベートでも活用できるお得なイヤホンです。
発売時期 | 2020年10月 |
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Bluetooth Ver. | Ver.5.2 |
対応プロファイル | A2DP,HFP,HSP,AVRCP |
防水規格 | IPX4 |
イヤホン本体充電時間 | 約1.5時間 |
連続通話/音楽再生時間 | 6時間/10時間 |
主な付属品 | USB Type-Cケーブル 1本、標準イヤーピースS/M/L 各サイズ1ペア、ポーチ、ユーザーマニュアル、製品保証登録カード |
ウェブ会議での使用だけなら、CVCノイズキャンセリングは必須機能。それに加えて自分のワークスタイルにあわせて、そのほかの機能の有無をチェックしてベストな製品を選びましょう。
また、イヤホンは長時間装着することも多いので、可能であれば実際に販売店などのデモ機で装着してみたほうが、製品を選ぶ際の手がかりとなります。
中山智
海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
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