働き方改革が推進され社会的にテレワークがハイスピードで進められたため、他人事だと思っていた働き方を心の準備もないまま始めることになった方は多いと思います。
テレワークの代表的なメリットとして、企業にはコスト削減や多様化した働き方による人材の確保・労働者にはストレスの削減や通勤時間が有効利用できるというものがあります。
しかし実際に自宅で仕事を初めてみると、業務に集中できない・上司に疑問点を相談しにくいなどの悩みを抱えてしまう方もいるようです。
この記事ではテレワーク時に発生しやすい問題と、その悩みの解決方法を紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
▼ 目次
1. 業務に集中できない
1-1. 業務に集中できない時の対策
2. チーム内でのコミュニケーションが不足する
2-1. チーム内でのコミュニケーションを不足させないための対策
3. 労働環境が整えられていない
3-1. 労働環境を整えるための対策
4. 運動不足になってしまう
4-1. テレワークで運動不足を防ぐ対策
5. 仕事とプライベートの境目がなくなる
5-1. テレワークで仕事とプライベートの境界線を明確にする対策
6. まとめ
テレワークを開始してみると、お子様がいるご家庭では特に「業務に集中できない・しにくい」と感じる方が多いようです。
(参照:マイナビニュース「リモートワーク「悩みがある」は8割 – その内容は?」)
日本労働組合総連合会が2020年6月に実施した調査「テレワークに関する調査」では、小学生以下の子供と同居している人の80.9%がテレワークが困難だと思っているという結果が発表されています。
一人暮らしの場合にも、今までは一番リラックスできる場所だった環境で仕事をすることに慣れるには時間がかかります。
自宅での業務に集中しやすいかは、行っている業務内容やその人の性格・生活によって変わりますが、非常に多くの方が「業務に集中できない・しにくい」と感じているのです。
テレワークで業務に集中できずに困っているときには下記のような対策が有効です。
環境によっては難しい対策もありますが、すぐに効果が期待できるものばかりですので、自分でできる対策から始めてみましょう。
物理的に仕事のスペースが確保されると、私生活の場と仕事の場所がはっきりと区別できます。
書斎を仕事スペースにできれば良いのですが、多くのご家庭では書斎など余分な部屋が空いていることは少ないため、棚やパーテーションを用いて、テレビ・ゲーム・漫画・雑誌などが視界に入らない仕事用の空間を作ります。急ぎの場合は段ボールなどを使っても良いでしょう。
私自身はテレワーク開始時にはダイニングテーブルで仕事をしていましたが、つい片付けをしてしまったり、自分の気が散っているという自覚があったため、寝室の一角を仕事スペースにしました。壁に向かって仕事をすれば、余計なものが視界に入らないため、長時間集中することができるようになりました。
どんなに小さなスペースでも「ここはオフィス」だと考えるようにし、仕事に関係のないものは仕事スペースに置かないようにしましょう。
小さなお子様がいる場合には育児を担当するご家族の協力を求めることも大切ですが、1日2日のことではありませんので、お互いに無理を強いないように自分が耳栓やヘッドホンを使うなどの工夫もすると良いでしょう。
オフィスにいる間には、毎日の雑談を含めて自然に会話が生まれるものですが、物理的に距離のあるテレワークではコミュニケーションが取りにくくなります。
その結果「疑問点があったが聞きにくいと感じたので放置した」「小さなトラブルが発生したが相手の様子が分からなかったので相談しなかった」このような行動が発生し、連絡漏れや確認不足が大きなトラブルにつながる恐れがあるのです。
特に今までオフィス勤務をする中でコミュニケーションの重要性を意識していなかった方は、よく注意する必要があるでしょう。
まず、テレワークは「コミュニケーションが不足しやすい状態」であることを十分に理解した上で、オフィス行う業務よりも密なコミュニケーションを心掛けるようにします。
「きっとこうだろう」と疑問や質問または相手の状態を想像で決めるのではなく、今まで以上に報告・連絡・相談を徹底するということです。この意識を持つだけでも、コミュニケーション不足を予防する効果が期待できるでしょう。
私の場合は緊急性がなく、簡単な質問や疑問にはチャットツールの使用、緊急時または細かな説明が必要な報告や相談時にはZoomを活用したビデオ通話を行なっています。Zoomではデスクトップ画面の共有もできるため、スムーズに話を進めることができます。
テレワーク時のコミュニケーションの方法としては、ビジネスでも安心のセキュリティが確保されているツールに下記のようなものがあります。これらはある程度の制限はあるものの、基本的に無料で使用できるツールです。
また、社内でチャットツール・web会議ツールなどのコミュニケーションツールが用意されている場合には、そちらを利用してください。
プライベート用のチャットツール・音声通話・ビデオ通話は情報漏洩の恐れがありますので、機密事項が含まれるような内容を扱わないようにしましょう。
テレワークの導入は一時的なものだと考え、あまり無駄な買い物をしたくないと考える人が多いようですが、それは間違いです。作業に適していない環境下で1日8時間近く業務を続ければ、腰痛や肩こりなどで体調を崩してしまう可能性があるためです。
また、インターネット環境が整えられていないと、業務中がスムーズに進められずに作業効率も下がります。
テレワークを快適に行うには、最低限の労働環境を用意する必要があるということです。
まず自宅のインターネット環境が悪いのであれば、テレワークの準備の最優先事項として見直しましょう。
インターネットの契約によっては環境改善のために工事などが必要となり、一定の期間が必要な場合もありますので、急ぎで取り組むべきです。
インターネット環境が悪ければ作業も進みませんし、web会議で毎回通信トラブルを起こしていると、間接的に自分のせいでチーム全体の作業効率も下げてしまいます。
インターネットについての知識があまりないという方は、家電量販店に行って相談してみるのも良いでしょう。
また、オフィスでは当たり前のように用意されていたデスク・オフィスチェアは働くための道具です。
自宅にある適当な座卓などを使って無理な姿勢で作業を行っていると、腰痛や肩こりになり、最悪の場合は持病になってしまう恐れもあります。
贅沢な買い物だと思わずに、快適に業務が進められるオフィス家具を準備する必要があるのです。
テレワークが推進されている今では多くの種類のテレワーク用オフィス家具が販売されているので、デスク探しをする予定があるのならテレワーク用デスクを紹介しているこちらの記事を参考にしてください。
テレワークになると、通勤時間・社内での移動が全てなくなるため、今までと同じ生活を続けていると必然的に運動不足になります。さらに自宅にいることで間食が増え、太ってしまう方も珍しくありません。
テレワークと運動を取り入れるための生活改善は、セットで考える必要があるのです。
テレワークになったことで、多くの人は以前よりも時間に余裕を持った生活ができていると思います。特に片道1時間以上の通勤時間があった方は、毎日2時間以上の時間が自由になったと言えるでしょう。
その時間を趣味や睡眠に充てるのも良いのですが、積極的に運動の時間に利用すると運動不足が解消できます。
仕事の前後に激しい運動をしたくないと感じる方は、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れると良いでしょう。
運動は継続が大切ですので、可能な限り週の半分以上の頻度で続けられ、気分転換にもなるような運動を選ぶようにしてください。
また、同じ姿勢で何時間も過ごしてしまう状態は良くありません。
事務職であってもオフィスでは、トイレ・コピー機との往復・他の社員との会話などで1時間に何回も離席する機会があったと思いますが、テレワークでは自分で意識的に業務の合間にストレッチを挟むなどの工夫をする必要があります。
スタンディングデスクを使って座りっぱなしにならないようにする・バランスボールを椅子に使うなどの方法もおすすめです。
テレワーク時の問題のある働き方として「業務時間内に仕事をサボる」「業務時間外まで仕事をしてしまう」があります。
両者は真逆ではありますが、どちらの場合も仕事のオン・オフ切り替えができておらず、改善の必要がある状態です。
オフィスでは上記のような働き方をしていると、上司や先輩から注意があったと思いますが、テレワーク時には仕事のオン・オフは自分で切り替えなくてはいけません。
このような働き方を続けていると、やがて前者の場合は社内での信頼を失い、後者の場合は体調を崩してしまうでしょう。
仕事と私生活の境界線が曖昧になってしまっている人は、意識だけで仕事のオン・オフの切り替えを行うのが困難だということです。
仕事の切り替えが難しい方は、タイマーを使って休憩時間や業務時間を管理するなど分かりやすい手段を取るのもおすすめです。
また、部屋着などラフな服装で仕事をしているのなら、仕事着を用意するのもおすすめです。スーツを着用する必要はありませんが、オフィスカジュアルのようなイメージの服を仕事着にするだけで気持ちが引き締まります。
テレワーク時の服装には一般的な定めがないため、どの程度の身だしなみが良いのか悩むようであれば「今すぐweb会議を行っても恥ずかしくないか」を基準にするようにしましょう。
女性の場合は、メイクをするかしないかでも1日の気分が変わることもあります。
今日何をするべきか明確でないと仕事に取り組みにくいと感じる方は、タスク管理ツールなどを使って毎日のタスクと成果を可視化しておくと良いです。
テレワークを始めたばかりの人が抱えやすい悩みや問題について紹介しました。思いがけず急にテレワークが始まった場合、その準備が不足してしまうのは仕方がないことです。
しかし適切な対策を取れば、ほとんどの問題を解決または改善させることができます。悩みを抱えたままテレワークを続けることは避け、どうすれば悩みを解決させて快適な働き方ができるかを考えてみてください。