なぜスキルゼロ・未経験から30歳でフリーランスになれたのか

平野修己

平野修己

2021.02.22
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スキルゼロの未経験からフリーランスになることはとても難しいです。会社の信用力、資金力、営業力、ブランド力などを借りずに、自分だけの力で仕事を受注し稼がなければいけません。

継続することはもっと難しいです。豊富な実績、高いスキルとセンスを持つフリーランサー達との競争に勝ち続けなければいけないからです。

「未経験だとこんなに仕事はもらえないものか…」と仕事を厳しい現実を知り、落ち込むことはめちゃくちゃあります。収入がない日々が続き、不安で眠れない日もありました。

しかし、未経験からフリーランスになることは不可能ではありません。実際に筆者も30歳で会社員からフリーランスになり5年目になります。

では、なぜ筆者が未経験からフリーランスになれて、継続できているのか?本記事では、未経験・スキルゼロからフリーランスになるための方法について解説します。


▼ 目次
1. 30歳でフリーランスになれた理由
1-1. 人としての信用力を上げられたこと
1-2. 仕事の評価を貯められたこと
1-3. 新しい仕事も積極的にトライしたこと
2. フリーランスになるためのステップ
2-1. STEP1:オンラインサービスを利用して、独学でスキルを身につける
2-2. STEP2|その1:副業・兼業で経験値を上げる
2-3. STEP2|その2:友人・知人に仕事をもらう
2-4. STEP3:依頼待ち、固定収入が得られる状態まで持っていく
3. フリーランスを継続するために
4. 未経験でフリーランスになる前に注意点をチェック
4-1. 助けてくれる同僚はいない
4-1. 即戦力として期待される
4-1. スキルなしでもらえる仕事はとても少ない
4-1. 実務経験なしと伝えた瞬間に候補者から消える
5. まとめ


 

30歳でフリーランスになれた理由

筆者は会社員時代の働き方が合わず、働く時間や場所を自由に選べるフリーランスになろうと退職2年前に決意をしました。

そこから、オンラインスクールなどを利用し、フリーランスのウェブデザイナーになるべく約1年の独学でスキルを身に付けました。

30歳という若くない年齢で「スキルなし」「未経験」からフリーランスになれた理由は、大きく3つあると筆者は感じています。
 

人としての信用力を上げられたこと

1つ目の理由は「信用力」です。

当然ながら受けた仕事を完遂するスキルは必要ですが、クライアントが求める基準を超えていれば仕事を受注できる場合もあります。それは、人としての信用力が関係していると思っています。

筆者の場合、いただいた仕事に対して納期は必ず守り、求められていること以上の対応をしてきたつもりです。

希望より低い予算でも「この金額ならこのくらいでいいか」と思わず、できる限りクオリティは高くしようと努め、本来であれば別途お金をいただく仕事も無償サービスで対応しました。

その結果、少しずつクライアントから信用され、継続して仕事をいただけるようになったと思っています。

どんなに経験豊富でセンスが良いウェブデザイナーでも、納期を守らない、クライアントの求めていることを無視する対応をしていれば、信頼されません。

スキルゼロの未経験者は、まず自分を信用してもらえる努力をしましょう。誰よりも早く納品する、依頼された仕事以外でもクライアントが困っている部分は対応する、相場より安い単価で仕事を受けるなど、見返りを求めず真摯に取り組んでみてください。
 

仕事の評価を貯められたこと

2つ目は「実績」を作ったことです。

フリーランスを目指し副業からスタートした筆者は、クラウドソーシングと友人・知人から受けた仕事でコツコツ実績を作りました。

スキルを身に付けて、自分ができる仕事をどんなに口で説明しても、クライアントにイメージしてもらえなかったり、信用してもらえなかったりします。

逆に、「このウェブサイトを作りました。」と1つの実績を見せられると一発で、”どのくらいの仕事ができる人なのか“イメージできます。実績を積み重ね、クライアントが判断できる自分の評価をどんどん貯めていきましょう。

しかしながら、スキルゼロからのスタートではいきなり大きな実績を作ることは大変難しいです。自分のウェブサイトやSNSを開設して、小さい実績でもいいので掲載できる実績を増やしていきましょう

ランサーズクラウドワークスなどクラウドソーシングでは、発注者から評価もいただけるので、クライアントは依頼者に適しているのか判断しやすいです。

なお、ウェブデザイナーの場合ですが、練習用に作成したポートフォリオは報酬をもらい制作する実戦と違い、納期もクライアントの要望もありません。クライアントもあなたの評価が難しいので、なるべく実戦の作品を見せるようにしましょう。

 

新しい仕事も積極的にトライしたこと

3つ目は新しい仕事にも積極的にトライして、「新しいスキル」を身に付けていけたことです。

フリーランスのウェブデザイナーになると決めたものの、独立1年目にウェブデザインの仕事はとても少なかったです。未経験が大きく影響してクラウドソーシングで応募しても採用されない日々もありました。

その分、仕事をくれる数少ないクライアントや友人・知人の困っていることや必要としていることを積極的にやらせてもらいました。

ウェブデザインとはまったく関係のない事務仕事、エクセルで問い合わせ数の集計や競合他社の分析、掃除やオフィスの引っ越しなど雑用もしました。

当時は「これでは時給で働くバイトと一緒だ…」と落ち込む日もありましたが、仕事を継続していくと「〇〇とかできる?」「〇〇をやってくれる人が見つからないんだよね」と相談されるようになりました。

筆者は「ウェブデザイナー」になることより「フリーランス」になること、そしてフリーランスを継続することが第一目標だったので、自分のスキルアップになるとポジティブに捉え、新しい仕事も進んで引き受けました

その結果、ウェブデザインだけでなく、ライティングという新しいスキルを身に付けて、SEO対策、メルマガ、メディア運営など幅広く仕事を受けられるようにまでスキルアップ。ウェブの知識の幅が広がりヒアリング力やプレゼン力もついたことで、ウェブデザインだけでなくディレクションの仕事も増えました。

現在ウェブデザイン・ディレクションの仕事とあわせて、ライティングは筆者の収入源の1つの大きな柱になっています。

必ずしも「自分の好きなこと=スキル・才能」ではありません。できる仕事を自分で制限せず、新しい仕事にもトライしていくことで、予想外の方向からフリーランスの道が開けてくるかもしれません。

 
 

フリーランスになるためのステップ

筆者の体験談や知り合いのフリーランサーに聞いた話から、”最小限のコストと約1年の準備期間でフリーランスになるステップ“をお伝えします。
 

STEP1:オンラインサービスを利用して、独学でスキルを身につける

独学でスキルを身につける場合、参考書を読むだけでなく、実際に手を動かして作業することがおすすめです。オンラインで無料もしくは安価で学べる学習サイトがあるので、ぜひ利用してください。

筆者の場合はウェブデザインを習得したかったので、udemyでPhotoshopやIllustratorなどでデザインツールの操作を学び、progate(プロゲート)でプログラミングを勉強しました。

しかし、独学だと効率の悪い部分も出てきます。例えば、筆者の場合どうしてもわからない点は、同じ業界で働く友人にランチをご馳走する代わりに教えてもらったり、クラウドソーシングでお金を払い教えてもらったり、terataiYahoo!知恵袋で質問しまくりました。

お金と時間を費やす余裕があるなら、専門スクールに通うのが一番早いと思います。自分がわからないことを相談できるプロ(先生やコーチ)がいることは、大変心強いです。
 

STEP2|その1:副業・兼業で経験値を上げる

基礎スキルを身に付けたら実戦開始です。

coconalaあたりは、経験やスキル力も高くない副業者も多いので、単価は低い案件が多いですが、案件獲得のハードルは下がります。

まずは「評価」を貯めることが大事です。筆者は評価をいただくために10件はボランティア並の低単価で仕事をしました

仕事のクオリティが良ければ、受注数も少しずつ増えていくので、最初は根気強くがんばりましょう。
 

STEP2|その2:友人・知人に仕事をもらう

知人の会社やお店の困りごとを解決することもおすすめです。あなたの人柄がわかっている分、仕事を途中で投げ出し逃げ出す心配もなく、依頼のハードルは下がるからです。

紹介案件は競争相手も少ない(もしくはいない)場合が多いので、受注しやすいです。友達だからと気の抜いた仕事は絶対せずに、一番大事にしてください。

1年後、もしかしたら数年後になるかもしれませんが、真面目に対応していれば、思い出してくれてまた仕事の相談をもらうことは少なくありません。筆者は、友人にクライアントを紹介してもらうケースも少しずつ増えました。
 

STEP3:依頼待ち、固定収入が得られる状態まで持っていく

副業や友人・知人の仕事で実戦経験を積んで、以下のような「依頼待ち」の状態が作れたら、フリーランスとしてデビューできるタイミングだと思ってください。

スキマ時間では対応できず依頼を待たせる

案件が増え依頼を断る

 

クライアントは「あなたに仕事をお願いしたい」と思っている状況です。この状況であれば、単価も上げられますし、睡眠時間を削ってオーバーワークすることもないはずです。

逆に余力残した状況でフリーランスになってしまうと、月に数万円しか稼げずに、生活費を稼ぐためにアルバイトをしたり、低単価で仕事を引き受けたりしなくてはいけないでしょう。

また、「依頼待ち」状態が作れなくても継続した固定収入が得られるようになれば、それもフリーランスになる1つタイミングです。筆者は1年間の業務委託契約により固定収入を得られたので、フリーランスに転身を決めました。

会社員のように毎月固定の収入があるわけではないので、見込み収入は会社員時代の1.5~2倍程度を目安に多めに考えておきましょう。
 
 

フリーランスを継続するために

未経験からフリーランスになり継続していくためには、自分の経歴を活かすこと、自分が仕事をするフィールド選びも大変重要です。
 

自分の経験がスキルに活かせるか考える

会社員時代に身に着けたスキルや経験は、自分が思っているより使えるかもしれません。筆者の場合は留学経験があったので、英語対応の仕事を受注したこともあります。

クライアントに「英語ができる」と頭の片隅にいれてもらうことで、英語のウェブサイトの相談を受けたこともあります。

例えば、未経験フリーランサーも多いライターからスタートしようと考えている場合、前職の経験が活きるかもしれません。前職は歯科助手をやっていた方であれば、一般的なライターより専門性の高い記事が書けるような形です。
 

立っているフィールドは競合たちは猛者揃いなのか

未経験から身につけたスキルでは、経験値が全然違うので、独立1年目でその業界のフリーランサーには敵わないのが一般的です。

例えば、大手IT企業、著名なフリーランサーが多い東京でデザイナーをするには、とても競合が多いです。しかし、地方へいけば競合も減りますし、求められている人材が不足していることも考えられます。

厳しいようですが、フリーランスに転身後の数年は、「経験豊富なスキルのある実務経験者」ではないことを自覚しましょう
 

その仕事は需要が高いのか

どんなに自分がやりたい仕事があっても、需要がなく、クライアントがいなければ仕事になりません。フリーランスになる前に市場調査を行い、自分の仕事は需要があるのか調べてましょう。

フリーランスの需要が高い仕事はこちらを参考にしてください。
 

 
 

未経験でフリーランスになる前に注意点をチェック

助けてくれる同僚はいない

フリーランスはすべてが自己責任です。引き受けた仕事が自身でできない場合、あなたが自己負担で外注先を探して、何が何でも案件を完了させないといけないかもしれません。
 

即戦力として期待される

仕事を引き受けた以上、未経験もベテランも関係ありません。クライアントはあなたをプロとして依頼をしているので、求められるクオリティは高いと思ってください。
 

スキルなしでもらえる仕事はとても少ない

クラウドソーシングを見てみると、フリーランス以外にも副業・兼業している方々もいますので、競争率は非常に高いです。

クラウドワークスは2018年時点で200万人を超える会員がいます。
(参考:クラウドワークス、会員数が200万人を突破

その中で”スキルゼロ”でもらえる仕事というのは、「誰もやりたがらない仕事」か「タダに近い低単価の仕事」でしょう。あなたのやりたい仕事とは全然違う仕事内容かもしれません。
 

実務経験なしと伝えた瞬間に候補者から消える

クライアントは発注者選びで絶対に失敗したくありません。お金を払って仕事をお願いしているので当然です。

実務経験ゼロのお医者さんに手術されたくないのと一緒です。未経験者で仕事を取ることは大変難しいので、覚悟しておいてください。
 
 

まとめ

未経験でフリーランスになるために重要なこと

・クライアントからの信用力をあげる
・小さくてもいいので実績を積んで評価をもらう
・仕事がもらえないなら、新しいスキルを身につけていく必要がある。

 

フリーランスを継続するために意識すること

・自分の経験から掛け算できるスキルを考える
・自分が勝負できるフィールドを見つける
・継続してもらえる収入源をつくる
・需要のある仕事なのか調査する

 

会社員に比べると毎月の収入は不安定になりますが、その分、働き方の自由度は格段に違います。

誰もが最初は未経験スキルゼロからのスタートです。再び会社員に戻らないように、準備をしてトライ&エラーを繰り返しながら、フリーランサーを目指してほしいです。

 

平野修己
この記事を書いた人

平野修己

自由の歩き方 編集長
 
フリーランスとして自分時間で働き、ワイフワークバランスを整える一児のパパ。趣味はサッカー / スノーボード / 旅行 / 大食い