自由の歩き方 編集部
1990年 / 出身地:静岡県富士市
上京後2016年から2021年までエンジニア、webディレクターとして会社勤務を経験し、2021年7月にフリーランスとして独立。その後、法人化して2022年に静岡県富士市の移住支援制度を活用し、Uターン移住。現在はリモートワークを中心にweb制作のディレクションの仕事を行う。
東京でフリーランスとして順調に仕事もしていたのに、なぜ、地元富士市にもどったのでしょうか。
がむしゃらに働く20代を過ごし、30歳を超えると「このまま東京でよいのか?」という気持ちが沸き上がってきました。そんな時にリモートワーク中心の生活になり、私の仕事は東京以外でもできることを実感したんです。
そして、結婚や子育てなど仕事以外の将来についても考えて富士市にUターン移住することにしました。
他の地域に移住する選択肢はあったのでしょうか?富士市に移住する決め手は何だったのでしょうか?
選択肢は他にもありましたが、移住となると観光や旅行で訪れるのとは違って生活や仕事の拠点になるので、私にとって総合的に1番メリットのある富士市を選択しました。
趣味のアウトドアを楽しめて、子育てもしやすく、利便性も良い。街にも飲食店や商業施設がたくさんあり生活に困ることはありません。気候も冬は暖かく雪はほとんど降らないですし、夏も関東に比べると涼しいです。
地元でなかったとしても富士市は私にとって最高の移住地だと思いました。
星崎さんの移住した富士市についてご紹介いただけませんか?
現在33歳、アウトドア好き、職業webディレクターの私が感じた富士市の魅力を紹介します!
1. アウトドアを楽しめるロケーションが身近にたくさん
富士市は北に富士山麓、南に駿河湾と豊かな自然に囲まれていて、様々な遊びができるロケーションが最高です。
東京ではアウトドアを始めるにも遠出になりますし、交通渋滞も多いので億劫になっていましたが、富士市に移住してからは、週末に海で遊ぶか山で遊ぶか悩むほどです。
2. 利便性が良い
富士市の新富士駅は東海道新幹線が通っており、東京や名古屋などへ1時間から1時間半ほどでアクセスできます。市内に新幹線を利用できる駅があることが大変便利で、Uターンを決意した大きな要因でもあります。
私はクライアントとの打ち合わせで月に数回東京を中心に出張があるのですが、新幹線で仕事していると1時間ぐらいの乗車時間がちょうど良いんです。東京に到着までにメールの返信や次の作業内容の確認と準備を済ませられると、気持ち良いですね。
移動時間を有効活用して、クライアントとの打ち合わせもスムーズに行えるわけですね。
3. 歴史的な文化や風景に触れながら暮らせる
富士市に戻ってきて富士市の良さを再認識しました。
例えば、富士市は古くから駿河国の中心地として栄えてきた街で、江戸時代の東海道宿場町の名残りがある町並みや歴史的な建造物が多く残されています。また、富士市は日本有数の「紙のまち」としても有名です。富士山からの豊かなで良質な水を活用し、明治時代以降、製紙業が発展いたしました。市内には、大きな煙突から水蒸気が出てきているのが象徴的な風景が見られます。
地元を離れてみて、歴史や文化が残っている富士市が好きだなと実感しました。今後は富士市の魅力をPRできる仕事にも携わりたいと思っています。
4. ライフラインも整っていて、シンプルに暮らしやすい
富士市は静岡県内でも屈指の公園が多く、大小合わせて市内に150個以上の公園があるようです。私は犬も飼っていますし、小さな子供もできましたので、公園に選択肢が多いのはとても嬉しいです。
また、市内には、スーパーマーケットやドラッグストア、病院などの生活に必要な施設が整っています。個人的には富士・愛鷹山麓から流れ出るミネラル豊富なお水によって育てられた地元の野菜がとても美味しいと感じています。
大変住みやすそうです。お水が綺麗で美味しいのは富士市ならではですね。
移住の際はどなたかにご相談や問い合わせ等はされたのでしょうか?
富士市総務部のシティプロモーション課移住定住推進室の赤池さんにご相談をして、アドバイスをいただきました。
移住のご相談に関してはこちらで受け付けているのですね。
はい。富士市への移住をご検討されている方に対して、各エリアの特徴や助成金の活用など気軽に相談にのってくれますので移住後の生活イメージができると思います。
富士市移住コトハジメの相談フォームより相談申込ができます。
相談にのっていただいた富士市のシティプロモーション課の赤池さんにも富士市の魅力について紹介いただきましょう。
富士市には特に首都圏から移住して来られる方に自慢できる大きな魅力が5つあります。
富士市の魅力1「富士山の恵み」
富士山と駿河湾に面した富士市は、地下水をくみ上げた美味しい水道水や、田子の浦しらすやお茶、フルーツなど特産品にも恵まれています。市内どこからでも眺望できる富士山の雄大な姿は市民の心のよりどころとなり、富士山に見守られている安心とゆとりを感じて暮らしています。
富士市の魅力2「充実の子育て環境」
富士市では、産前産後の切れ目のない支援を行っています。保育園、幼稚園、認定こども園、小規模保育所など子どもの受け入れ施設の数も充実しており待機児童はゼロ人(4月1日時点)、放課後児童クラブでの受け入れ態勢も整っています。子育て支援センターや児童館などのほか、バラエティ豊かな公園や、市内8か所ある図書館・分館では絵本や児童書が充実しているなど、親子で楽しめる施設が数多く立地しています。小中学校39校では、各学校で調理した温かい給食が提供されています。
富士市の魅力3「お得な住宅事情」
市街地に農地が多く残っているため、周辺の市町と比べ開発余地があるため土地の価格が安くなっています。そのため、若い世帯でも庭付き一戸建て住宅を取得しやすく、市内では戸建て住宅が約7割を占めます。賃貸物件では、都内でワンルームを借りる値段で2LDKに住み替えた方もいて、ゆとりある生活空間が入手可能です。
富士市の魅力4「便利で快適な暮らし」
新富士駅から東海道新幹線に乗車できます。乗車時間も東京まで1時間、名古屋まで1時間半となっており、新幹線通勤も可能な距離感です。市内には、東名高速道路、新東名高速道路のIC/スマートICが3か所あり、高速の乗り降りも便利です。
中部横断自動車道が開通し、富士市から甲府市まで約1時間半で行くことができるなど、南北方向の移動も便利になり、富士市を拠点に周辺レジャーへのアクセスが大変しやすくなっています。
富士市の魅力5「移住支援」
最後に富士市には充実した移住支援制度があります。星崎さんにもご案内して活用いただきましたが、東京圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)からテレワークの実施をきっかけに富士市に移住された方(被雇用者か個人事業主)に対して、住宅取得費、賃貸費(2か月分)、引越代、通勤費(2か月分)を合計で最大50万までの補助金を用意しています。
【公式】テレワーク移住アシスト(富士市先導的テレワーク移住者支援補助金)
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/kurashi/c0308/rn2ola000002na0s.html
本補助金と併用はできませんが、要件に該当すれば国の移住就業支援補助金(東京圏からの移住への補助制度)をご利用できる場合もありますので、移住の際の初期費用の負担を軽減できます。
そのほかにも、富士市では、移住者のコミュニティづくりを支援する「富士このみスタイル」という移住定住応援企画を実施しています。主に結婚や子育て世代の女性を対象に、交流イベントやスキルアップ講座を開催するほか、地元企業から依頼を受けた仕事を数人でシェアして請け負う「ワークシェア」という新しい働き方に取り組んでいます。ワークシェアに参加することで、移住者同士はもちろんのこと、地元企業や起業家同士との繋がりが生まれています。
【公式】富士このみスタイル
https://iju.fujicity.jp/fujikonomi/
さらに富士市で起業を目指す方は、「Beパレットふじ」をご利用いただけます。常駐のコーディネーターや地域内の産業支援機関の職員に相談することができます。
【公式】富士市地域産業支援センター(Beパレットふじ)
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/sangyo/c0312/rn2ola000003decz.html
富士市の移住支援制度は魅力的ですね。
街のイベントなども盛んに開催されているのでしょうか?
中央公園では、大きな祭りやフェアが開催されるほか、フリーマーケットやアートクラフトフェアなど子どもと楽しめるイベントも随時開催されます。
また、花の季節に合せ「梅まつり」「夜桜ライトアップ」や商店街を舞台にした「エキキタテラス」や「まちあそび人生ゲーム」などのイベントのほか、ローカル鉄道である岳南電車の「ビール電車」という催し物など、各地で季節ごとに楽しめるイベントが開催されています。
星崎さんがおすすめする富士市のアクティビティやイベントなどはありますか?
私のおすすめや気になっているアクティビティはこちらです!
■ 富士登山
普通の富士登山は5号目からスタートになりますが、富士市では海抜0メートルから富士山頂を目指す「富士山登山ルート3776」という企画があって面白いです。
https://route3776.jp/
■ 富士バンジー
富士市の須津渓谷橋には54mのバンジージャンプ台が設置されていて「富士バンジー」ができます。
私はまだやったことはないです。。。(一度やってみたい!)
■ 富士山こどもの国
子ども向けのアクティビティ施設で、自然と触れ合える様々な「あそびプログラム」が体験できます。
https://www.kodomo.or.jp/
■ お祭りなど季節のイベント
富士市はお祭が多いです。以下のお祭りは結構大きいので、商店街のアーケード全てに屋台が並んだりしてます。
・富士まつり
・毘沙門天大祭
・吉原祇園祭
・甲子(きのえね)祭・甲子秋まつり
それ以外のお祭りで変わったものだと「かりがね祭り」というのがあります。
これは松明に火を投げ入れるお祭りでみんなで火のついた木をぶん投げるお祭りです。
http://otenkiyasan.com/fuji/ichiban/karigane.htm
富士市での働き方、ワークスタイルについて教えてください。
移住をしてきてから、結婚をし、家と車を買ってしまい、新しく犬も家族に迎え入れ、これまでの東京での生活とはガラリと変わる家中心の生活になりました。
朝はまず犬の散歩からスタートしてから、仕事に入ります。新しい家では自分の部屋も作ったのですが、実際は家のダイニングテーブルがデスクになっています。妻もリモートワークでの仕事をしていますので、平日はダイニングとリビングで二人で仕事をしています。
夕方まで仕事をした後は、また犬と公園などに散歩にいきますね。犬のおかげで運動不足も解消できています。
私の1日のスケジュールです。
5:00 釣り(週2回)
7:00 犬の散歩
8:00 帰宅して朝食
9:00 仕事
12:00 昼食
13:00 仕事
18:00 夕食
19:00 犬の散歩
20:00 ジム
21:00 自由時間
23:00 就寝
出張の頻度はどのくらいですか?その際はどこかに宿泊されるのでしょうか?
東京への出張は月に1、2回です。クライアントはほとんど東京ですが、オンラインでのミーティングが中心になってしまったので、ポイント的に大切な商談のときなどは新幹線に乗って東京に出張にいきます。私の家からは新富士駅と三島駅のどちらかの駅を使います。
日帰りでも行ける距離ですので宿泊費用も節約できますね。
自宅でのリモートワークが多いのでしょうか?
家だけでは飽きてしまうときもあるので、コワーキングスペースを活用することもあります。富士市にはコワーキングスペースが複数あり、富士市が支援した施設だけでも7か所ほどありまして、どこも空いていますし快適です。
おすすめのコワーキングスペースがあれば教えてください。
私もプロジェクト上必要な際には一定期間契約したり、最近はドロップインで気分転換のために活用しています。私がとくに活用するのは以下の3つです。
■ TSUKURIBA
元イタリアンレストランの居抜き物件に作られたコワーキングスペースですので、カフェ的な内装が気に入っています。天気の良い日はテラスで仕事できるのも気持ち良いです。市役所と法務局から近いので、手続きを待っている間や、終わった後に利用することができるので大変便利です。
■ WORX富士
コンクリート打ちっぱなしの内装の倉庫物件のような300坪以上の大きさが特徴的です。しっかりとソーシャルディスタンスを保つことができるので他の利用者にも気兼ねなくオンラインミーティングができます。会議室もあるので仕事仲間で集まって集中して会議をする際にも便利です。
https://joinx.net/worx/recipe/fujibiz/
■ きの屋
東海道新幹線の新富士駅南口から徒歩1分の場所にある宿泊施設ですが、施設内にラウンジがあり、カウンターで仕事をすることができます。古民家風の見た目と内装でとても落ち着く空間です。新富士駅からも近いので早めに家を出てこちらで仕事をしてから都内に向かうことが多いです。
https://www.kinoyahostel.com/facilities-1
地元で起業したメリットを教えてください
メリットは「考える時間ができたこと」と「視野が広がったこと」です。
都内にいるときは常に仕事仕事で目まぐるしく時間が過ぎ去っていました。地元に来たことで少し立ち止まってじっくりと考える時間が取れています。
せっかく地元に戻ってきたので、地元の人たちとビジネスをしていきたいですし、地方で生活しているからこそ見える地方の価値観を得ることで視野が広がったと思っています。
デメリットはありましたか?
デメリットは特に無いですね。
強いてあげるならば会社の登記が東京なので、何か手続きがある際に東京に行かないとならないという点でしょうか。それもまたその都合と合わせて東京にいるお客様や仕事仲間に会いに行けるのでデメリットには感じていないですけどね。
正直な話、移住してビジネス面で良さは感じましたか?
富士市に移住してからは、オンオフの切り替えがしっかりとできるようになりました。そのおかげでビジネスにおいても東京に住んでいるとき以上の成長ができています。趣味のアウトドアや釣りが気軽にできるようになるなど充実した休日を過ごせることが、仕事のパフォーマンスも向上しているように感じます。
仕事以外のどんな点が変わったと実感していますか?
私は富士市で生まれ育ち、大好きなこの街で慣れ親しんだコミュニティがあるので、気持ちも安心します。実家も近く、旧友たちにもすぐ会えるので、笑顔で食事をしたり、バカ話をしたりと豊かな気持ちで過ごす時間が増えました。
また、私と妻が仕事で忙しいときや風邪で2人ともダウンしたときは家族や友人は食事を作って持ってきてくれたりと助けてもらったり、支え合って生きていることを実感できています。
古くからの友人の中にも私と同様に独立して事業を運営している友人と会うととても刺激になります。幼馴染が運営している周りからも評判のパーソナルジムに通い、心身ともに健康になり、もっと仕事を頑張ろうと思えています。
■ 同級生が営むジム ConneQt(コネクト)
https://conneqt.hp.peraichi.com/main
今後、星崎さんが目指すのはどのようなライフスタイルですか?
一度きりの人生なので、これからも地元富士市をベースに家族と自由に生きていきたいです。私は自由とは選択肢の多さだと思っています。
移住前と比べて、星崎さんのおっしゃる「選択肢の多さ」は増えましたか?
選択肢の多さは増えて自由度は上がったと実感しています。
クライアントとのコミュニケーションはオンラインミーティングや日帰り出張でできるので、東京在住時と変わりはありません。会社の拠点は東京ですが、ワンストップビジネスセンターで会社を設立しており、雑務や最低限の事務作業をやっていただけるため不便さを感じません。
地元にUターン移住すると選択した時、せっかく東京に出たのに地元に戻ってきて大丈夫なのか不安もたくさんありました。しかし、移住してみると東京との物理的距離や精神的な不安は全くなくなりました。
これからも私は私が好きな富士市をベースに、好きな人たちと仕事して遊んで、自由に生きて行きたいと思います。
星崎さん、貴重なお話をありがとうございました!
自由の歩き方 編集部
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