フリーランスやノマドにも多い在宅ワーカー。本記事では、ノマドであり在宅ワークも多い建築家の筆者が、生産効率の上がる自宅オフィスの作り方をご提案します。
在宅ワークの環境におすすめの家具とコーディネートを予算別にご紹介しますので、ぜひご参考ください。
▼ 目次
1. おすすめ家具を使ったコーディネートを予算別に紹介
1-1. 【1万円未満】 最小限&最安オフィス!
1-2. 【6万円台】 オシャレでスタンダード
1-3. 【10万円以上】 トコトンこだわる派のあなたへ
1-3-1. ∟ 筆者おすすめセレクト
1-4. 【数千円〜5万円台】 DIY好きのあなたへ
1-5. 【月額 数百円〜】 期間限定の自宅オフィス
2. 自宅オフィスを作る前のチェックポイント
3. 生産効率を高める自宅オフィスの環境とは?
4. まとめ
こちらでは実際に購入できるおすすめの自宅オフィス家具を紹介します。
(可能であれば、実際に使う家具は、購入前にショールームや店頭で実物を確認されることをおすすめします。)
安くオフィス家具を揃えたい方におすすめしたいのがニトリです。ニトリはオフィス家具のイメージがあまりないかもしれませんが、安価で上質なオフィス家具を販売しています。
予算 | 1万円未満 |
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シーン | どんな場所でも設置可。リビングの一部にもOK。 |
コスパ | ◎ |
かっこよさ | × |
組立・設置 | ◯ |
廃棄 | △(ニトリの家具はリサイクル屋さんから処分費を取られるため) |
快適度 | △ |
折りたたみデスク フレッタ(DBR) ¥1,843
デスクは、幅70cmと最小限と呼ぶには少しゆとりのあるサイズですが、折りたたみ式で不要な時はスペースを確保できる点がおすすめです。ただ、デスクに収納機能やプリンター置場等が必要な場合は、このデスクでは物足りないはずです。その場合は、「パソコンデスク コンパクト 省スペース」等で検索すると、探しているデスクが見つかりやすいと思います。
ワークチェア(ベイシスH GY) ¥2,990
チェアは、最安クラスの他メーカーの商品と比較しても、機能的には申し分ありません。肘掛け無しのワークチェアをこの価格帯で販売しているのは、IKEAとニトリくらいです。
コットンラグ(クラフトo 100X140) ¥2,990
このデスクとチェアの組み合わせで理想のカーペットは、70×70〜140サイズです。カーペットの幅は、デスクと同じ幅で、奥行きはテーブルの下まで敷くのであればテーブルの奥行き+70cm程度、敷かないのであれば70cmを目安としてください。また、カーペットはなるべく薄い目の物を選びましょう。毛足が長いカーペットはオフィスチェアのキャスターと相性が悪く、キャスターが壊れやすくなります。デスクとチェアがシンプルなものなので、ラグのデザインも控えめなものをチョイス。
せっかく自宅オフィスを作るなら、オシャレなしたい!という方におすすめしたいのが、journal standard furnitureがオフィス用品の大手通販サイトASKULと共同で制作しているオフィス家具シリーズ。
デザイン性だけであればIKEAも良いですが、耐久性も考慮するとjournal standard × ASKULの家具を推します。
予算 | 6.5万円 |
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シーン | 個室、1LDK以上 |
コスパ | △ |
かっこよさ | ◯ |
組立・設置 | ◯ |
廃棄 | ◯ |
快適度 | ◯ |
コンパスレッグデスク 積層合板 ブラック コンセント付き ¥19,900(税込)
(幅1200×奥行600×高さ720mm)
タスクチェア ¥26,400(税込)
サイドキャビネット2段 ブラック ¥19,000(税込)
(幅300×奥行475×高さ520mm)
同等の価格帯であれば、機能性とデザイン性は他の追随を許さないレベルのクオリティに仕上がっています。
いやいや、やるならとことん自分が好きなもので揃えたい!妥協したくないという方向けにオススメの家具サイトを紹介します。
画像引用:https://flymee.jp/
画像引用:https://tabroom.jp/
http://www.interoffice.club/shopbrand/all_items/
FlymeeとTabroomはネットで最大規模の家具販売サイト。どちらも幅広く国内ブランドから海外ブランドまで取り扱っており、見応えがあります。
hhstyleを運営するinterofficeの通販サイトもハイエンドクラスの輸入家具を揃えています。家具マニアなら一度は名前を聞いたことがあるデザイナーの商品が並んでおり、ホームページを眺めるだけでワクワクできます。東京の外苑前にショールームがあるので、実物を見たり、使ったりすることもできる。
一般的にオフィス家具メーカーとして知られるコクヨ、オカムラ、イトーキ、プラス等の家具を自宅で使うこともできますが、せっかくなので、会社のオフィス空間と自宅のオフィス空間は違いをつけたいですよね。
予算 | 10万円〜(下記の筆者セレクトは27万円) |
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シーン | 個室、1LDK以上 |
コスパ | × |
かっこよさ | ◎ |
組立・設置 | ◯ |
廃棄 | ◎(需要があるので売れます!) |
快適度 | ◎ |
画像引用:https://flymee.jp/
HAY CPH 90 DESK グレーリノリウム × オークマットラッカー ¥94,600(税込)
(幅1300×奥行650×高さ740mm)
HAYはデンマークの若い家具メーカーで、昨年日本にも期間限定のショールーム兼ショップを作り話題になりました。北欧らしい、木目を活かした柔らかいデザインと現代の機能や技術が融合しています。
画像引用:https://flymee.jp/
Fellowes Elea ホワイト ¥151,800(税込)
Felloewsは世界的な家具メーカーで、EleaはハーマンミラーのAeron Chairと人気を2分するほどの名作です。Aeron Chairの方が知名度はまだまだ上ですが、自宅オフィスにAeron Chairは少し重いデザインなので、デスクのデザインに合わせて軽やかなEleaをチョイスしました。
画像引用:https://flymee.jp/
abode XS – wagon ¥19,800(税込)
(幅315×奥行360×高さ640mm)
abodeは東京、目黒の若い家具メーカーです。シンプルながらも確かな機能性とディテールにこだわりがあります。デスクワゴンにしては珍しく、引き出しが無いタイプです。引き出しが無いことで、適度に抜け感があり、デスクやチェアの軽さを引き立てる存在になります。
ネットのセレクトショップでならでは、色んなブランドをごちゃ混ぜにしつつも、デザインに統一感を持たせたところがポイントです。
HAYはデンマーク若い家具メーカー、Fellowsは世界的なオフィス家具メーカー、abodeは日本の若い家具メーカーです。日本の家具メーカーのデザインから選ぶと、どうしても白か黒基調になってしまいがちなので、自宅オフィスではデザイン的に浮きやすいです。
今回選んだような、グレーと木目をベースにすると、どんな自宅にも違和感なくハマりやすいです。価格帯は先に紹介した商品よりもグっと上がりますが、その分使い心地は良いです。Flymeeの場合、送料無料でまとめて送ってもらえるのも嬉しいです。
DIYの最大のメリットは、自宅の空いたスペースに合わせてオフィススペースを作ることができるところです。幅1200mmのデスクだとちょっと狭い。でも1500mmは幅広すぎる。という場合、DIYならちょうど良い幅のデスクを作れます。
筆者の自宅オフィスはDIYですので、一例として、少しだけ紹介したいと思います。
予算 | 数千円〜5万円(筆者の自宅オフィス 約4.5万円) |
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シーン | 場所選ばず |
コスパ | ◎ |
かっこよさ | ◎ |
組立・設置 | × |
廃棄 | ×(産業廃棄物となります) |
快適度 | ???(自分次第です!) |
デスクや収納の素材は構造用合板の24mmというものです。木材の材料代は全て合わせて1万円以内です。幅は、自宅の空いたスペースに合わせて1435mmと、既製品では絶対に無い1mm単位の拘りが出せます。
収納もデスク同様自分の使うファイルや収納物に合わせて高さや幅を決めれるので、無駄がなく綺麗です。筆者の場合は、無印のA4ファイルフォルダーに合わせて作りました。
椅子は先に紹介したjournal standard × ASKULのコラボです。オフィスチェアはDIYで作るのは難易度が高いので、潔く気に入った物を買います。
使いたい時期が短い、もしくは不透明な場合は、家具を購入するよりレンタルがおすすめです。
転勤族のホームオフィス、育児休暇でのテレワーク、今回のようなコロナウイルスの流行をきっかけに自宅オフィスを設置する人向けに、家具がレンタルできるサービスをご紹介します。
https://www.rentalbusters.net/
レンタルバスターズは、短期間(1年未満)の使用におすすめです。
テーブルやオフィスチェアだけを単品で低価格でレンタルできたり、セットでレンタルできたりするので便利ですし、オフィス家具メーカーも豊富に揃っています。
https://subsclife.com/about-subsclife-2b/
subsclifeは、長期間(1年以上)の使用におすすめです。
レンタルした家具が気に入ったら買取できる点も魅力です。1ヶ月や3ヶ月の短期間レンタルだと割高だったり、オフィス家具の品揃えが少なめな点もありますが、家具ブランドのセレクトが良いので、センスの良い自宅オフィスが作れます。
自宅をオフィスにする場合、住居用と商業用物件の搬入経路の違い、同居する家族への配慮など、一般的なオフィス作りとはチェックポイントが変わります。
まずは自宅オフィスをつくるための最低限必要な設備や知識を確認してみましょう。
幅60cm×奥行き100cm
必要最小限のワークスペースの確保は、意外とハードルが低いです。ラップトップとA4の資料を広げる程度であれば、幅60cm×奥行き45cmあれば作業ができます。
実際に、市販されているワークデスクの最小寸法も幅60cm×奥行き45cmのサイズ多いです。あとは椅子が入るスペースとして、プラス奥行き50cmを確保できれば良いので、幅60cm×奥行き100cmのスペースで自宅オフィスは用意できます。
家具を購入する前には、玄関や廊下の幅をチェックしましょう。
おそらく一番大きな搬入物がデスクになると思いますが、団地や古いアパートだと一般的な奥行き60cmのデスクが入らない場合もあるので、事前に玄関や廊下の幅を測っておいたほうが良いです。
また、運送業者からの受取方法も忘れず確認したいポイントです。組立設置や玄関まで運んでくれれば問題ありませんが、運送業者によっては車上渡しやマンションの1階渡の場合もあります。その場合、大きな家具を自力で室内まで運ばなくてはいけないので注意が必要です。
意外と躓く、家具の組み立て
オフィスデスク、オフィスチェア、サイドキャビネット等の完成品は見慣れていると思いますが、実はほとんどが組み立て式。ネットに掲載されている完成品をみて注文したけれど、思った以上に組み立てが複雑で時間がかかるケースも…。
有名どころでいうとIKEAやASKULの家具は自力で組み立てるものが多く、一部の家具は電動工具を必要とするのでご注意を。
ただ、IKEAやASKULも組み立てサービスがあるので、組み立てに自信が無い場合は申し込んだ方が安心ですし、効率良いです。完成品か組立品かは、購入前に忘れずに確認しましょう。
原状回復の義務あり
賃貸の場合は、原状回復の義務がつきまとうので、自宅にオフィススペースを作る場合は注意しましょう。
例えば、壁にネジ等で穴を開けて固定すると、その壁面1面分の壁紙や塗装の補修費を請求されるのが一般的です。壁や天井はそこまで高額な請求にはなりませんが、要注意は床。
オフィスチェアを使用する場合、キャスターで床に傷がつきやすく、フローリングの床だと高額な補修代を請求される場合もあります。賃貸物件でしたら、オフィスチェアを使用する床面部分にカーペットを敷くなどして事前に傷がつかないように気をつけましょう。
ルーターとワークスペースの関係性に注意
ルーターの設置場所とワークスペースの位置関係によっては、Wi-Fiが繋がりにくくなるので、注意しましょう。特に、ルーターの設置場所とワークスペースの階が違う場合、コンクリートの壁を挟む場合は、繋がりにくくなるケースが多いです。とはいえ、Wi-Fiは他にも様々なものに影響を受けるので、万が一、繋がりにくい場合は中継器を設置する等して対応しましょう。
家族や同居人の理解を得ることは必須
快適な自宅オフィスの環境作りにおいて、見落としがちなのが家族や同居人との関係性。実際によく耳にするのが、仕事をしている時に周囲の物音が気になる、子供に話しかけられる等、会社で仕事をしていればまず直面しない問題です。
解決策としては、ノイズキャンセリングのイヤホンをする、パーテーション等で仕切ってしまう等、物理的になんとかするしかないです。同居人の理解を得ることも快適な自宅オフィスの環境作りの一歩となると思います。
自宅オフィス作りの事前確認ができたら、次は、仕事の効率を上げる自宅オフィスの環境づくりをお伝えします。
前述した幅60cm×奥行き100cmというのは最低限であって、決して快適なスペースではありません。職種にもよりますが、デスクトップにキーボードとマウス、A3の資料を広げると幅120cm×奥行き60cm程度が必要になります。
実は、幅120cm×奥行き60cmが最もポピュラーなオフィスデスクのサイズです。そのため、必然的にデスクの選択肢も広くなります。幅が120cmあれば、サイドキャビネットを設置できる余裕もあり、自宅の他のスペースに収納していた仕事道具もデスク周辺の1箇所にまとめられます。
デスクの奥行きが60cmとなることで、椅子が入るスペースも含めて奥行き120cmは欲しいところです。もし背面に書類等を収納する棚を設置するのであれば、さらに30cm〜45cmの奥行きは計算しておきましょう。
余談ですが、部屋の広さに余裕があっても120cm以上のデスクはおすすめできないので、購入を検討している方には、もう一度考え直して欲しいです。会社の場合、社長席や役員席の多くが150cmや180cm幅のデスクを採用していますが、実際に使っているスペースは120cm未満のことが多いです。残りのスペースは資料を積んでいたり、装飾品を飾っていたりと、無駄なスペースとなってしまっています。
デスクは広ければ広いほど、便利という訳ではありません。快適に働きやすいスペースは、整理整頓すれば、一般的に幅120cm×奥行き60cmあれば十分です。
現在、新型コロナウイルス対策として在宅勤務を命じられ、自宅オフィスを作ろうとしている人も多いと思います。在宅勤務などのリモートワークが増えた結果、ZOOM等のウェブ会議がとても多くなっていますね。
ウェブ会議で特に注意したいのが、光源の位置であり、一番避けたいのが昼間の逆光です。窓を背にしてワークスペースを設置する場合、カーテンやブラインドの設置は必須。また、背中に白い壁がある場合も注意しましょう。カメラは一番明るい部分の色を基準にするため、背面が白いと、顔が暗く写りやすくなってしまいます。
光源は真上からの光よりもデスクライト等のあまり強くない光を正面から顔に当てるのが一番良いです。
電気代を気にせず使える会社とは違い、自宅の温度環境を常に快適に整えるのはなかなか難しいですよね。特に注意したいのは、夏の窓際と冬の足下の温度環境です。
住宅の窓ガラスの遮熱性能はオフィスに使われる窓ガラスの遮熱性能より大幅に劣ることが多いのです。そのため、想像以上に窓際が寒くなりやすく、暑くなりやすい。
真夏の窓際にパソコンを長時間放置すると、機器の故障やデータの損失に繋がりかねないので要注意。オフィスではまずありえない事故ですが、自宅オフィスでは容易に起こりうる事故です。
冬場に注意したいのは、コンセントの容量オーバーです。こちらはオフィスでも考えられますが、足下用のヒーターや電気マットを同時に使用するとコンセントの容量オーバーを引き起こします。もし、同じコンセントでパソコン電源等と暖房器具を使用していると、ブレーカーが落ちた際に、機器の故障やデータの損失に繋がる可能性があります。
在宅ワークで電気代が増えることはやむを得ないが、機器の故障やデータの損失につながる事故は仕事にも大きなダメージになるので、注意しましょう。
自宅オフィスでも一般のオフィスに劣らないクオリティの空間が出来上がります。重要なのは、事前に自宅オフィス作りに必要な知識や設備の確認などポイントを押さえることです。
使い勝手の良いオリジナル空間のオフィスにコーディネートをすることで、仕事の生産効率は確実に高まりますし、ご自身の好きな家具を揃えるだけでも仕事のモチベーションも上がります。ぜひ、自宅オフィス作りのご参考にしてください。
kitaandarchitects
飲食店やオフィスのデザイン・設計を得意とし、個人から大手企業まで幅広く顧客を持つ建築設計事務所。「自由の歩き方」の運営会社ワンストップビジネスセンターの貸し会議室デザインも手掛ける。
施工を手掛けた千葉県の「かいぶち」は、千葉市の「建築文化賞」を受賞。
> 日本料理 かいぶち
社内はリモートワークが中心。
業務に支障がなければ、好きな場所で好きな時間に働くスタイルを歓迎している。
代表の趣味はDIY。
原状復帰が自身で可能なことをいいことに賃貸物件でも構わずDIYしまくっている。