フリーランスという働き方を選ぶ人が増えています。
しかし、フリーランスは会社に縛られないという反面、仕事がないと収益が得られないという不安定さもあります。
せっかくフリーランスになるのであれば、需要のある業種を選びたいですよね。
近年、フリーランスの中でも特に需要が高まっているのはエンジニアやプログラマといったIT系の業種です。高いスキルを必要とする場合も多いですが、中には未経験者でも挑戦できる業種もあります。
本記事では、これから需要が高まると予想されるIT・Web系フリーランスの仕事を7つご紹介します。
▼ 目次
1. 増え続けるフリーランス
2. フリーランスの種類と年収
2-1. 副業系すきまワーカー
2-2. 複業系パラレルワーカー
2-3. 自由業系フリーワーカー
2-4. 自営業系独立オーナー
3. フリーランスとして需要のある仕事7選
3-1. エンジニア・プログラマ
3-2. Webデザイナー
3-3. イラストレーター
3-4. カメラマン
3-5. 動画クリエイター
3-6. Webライター
3-7. ブロガー・アフィリエイター
4. まとめ
「フリーランス」という言葉が世間に浸透し、新しい働き方として注目を集めています。
厚生労働省が「働き方改革実高計画」を踏まえ、副業・兼業の普及促進を提唱したことも記憶に新しいでしょう。
ランサーズの調査(フリーランス実態調査2020年度版)によると、フリーランス人口は2015年から5年連続で1000万人を超えているそうです。
SNSやクラウドソーシングサイトの利用で、クライアントとフリーランスのハードルが低くなったということもあり、フリーランスに挑戦する人が増え続けています。
また、IT技術の発達によりリモートで仕事を進められることも増えたため、自宅でできる副業を始めた方も多いでしょう。
本業1本で、定年まで勤め上げる「終身雇用」の時代は終わりを迎えつつあるのかもしれません。
フリーランスといっても、働き方はさまざまです。
ランサーズの調査(フリーランス実態調査2020年度版)によると、フリーランスは大きく分けて4つのタイプに分類できるようです。
それでは、4つのタイプについて働き方や年収を詳しく解説していきます。
1つ目は「副業系すきまワーカー」です。
会社員として常時雇用されているものの、すきま時間を有効に活用し副業としてフリーランスの仕事をする人を指します。
労働時間が限られているため、単価が低く稼ぎにくい働き方ではありますが、休日などの空いた時間を有効に活用したいという方には向いているでしょう。
副業系すきまワーカーの人口は約409万人で、フリーランス総数の約40%と1番高い割合です。
(フリーランスとしての)
副業だけの年収であるため、平均を見れば結構稼いでいるようにも思えますが、この中の55%の方は年収10万円未満です。すきま時間にお小遣い稼ぎ感覚で副業をしている人が多いのかもしれません。
2つ目は「複業系パラレルワーカー」です。
雇用形態に関係なく、2社以上の企業と契約ベースで仕事をこなす人を指します。
先ほど述べた「副業」はメインである本業の傍ら行うサブの仕事を指しますが、「複業」は仕事にメイン・サブという序列をつけないことが特徴です。
一つの会社に縛られずに幅広く仕事ができることや、収入源が複数あるためリスクを分散できることがメリットといえるでしょう。
複業系パラレルワーカーの人口は約281万人で、フリーランス総数の約27%となっています。
中でも、52%の人が複業系パラレルワーカーとしての収入が50万円以下となっています。
この数字を見ると、フリーの収入だけで生活するには苦しいように思えますが、複業系パラレルワーカーの76%がフリー年収の個人年収に占める割合が50%以下のようです。
フリーランス以外にも収入源がある方に選ばれている働き方なのかもしれません。
(参考: フリーランス実態調査 「フリー年収と対個人年収比率」)
3つ目は「自由業系フリーワーカー」です。
特定の勤務先はなく、独立したプロフェッショナルのことを指します。
一般的にフリーランスと聞くと、イメージするのはこの「自由業系フリーワーカー」かもしれません。
しかし、自由業系フリーワーカーの人口は約56万人で、割合としては最も低い約5%となっています。
会社と雇用関係を結ばず個人事業主として働いているため、仕事の全てが自分の裁量にかかっていることがメリットでもありデメリットでもあるといえるでしょう。
こちらも生活をするには苦しい収入に思えますが、内訳を見てみるとフリーとしての年収が400万円以上あるフリーランサーが14%いるのに対し、10万円未満のフリーランサーも26%います。
特定の勤務先がない主婦や学生が、お小遣い稼ぎ感覚で仕事をしている場合も自由業系フリーワーカーに分類されるため、平均年収が下がっているのでしょう。
(参考: フリーランス実態調査 「フリー年収と対個人年収比率」)
4つ目は「自営業軽独立オーナー」です。
個人事業主・法人経験者で、1人で経営をしているオーナーを指します。
自営業系独立オーナーの職種は専門・士業系の職種が半数を占め、年代は50代〜60代以上が6割にものぼります。
自営業系独立オーナーの人口は289万人で、フリーランス総数の約28%と複業系パラレルワーカーと同程度となっています。
フリーランスの4タイプ中一番高額で、37%が年収400万円を超えているそうです。
毎月決まった額の給料がもらえる会社員に対し、フリーランスは働いた分しか報酬を得られません。
仕事がない月は報酬が0ということも十分あり得ます。
そこで、今回はこれから十分に需要が見込めるフリーランスの仕事を7つご紹介します。
(※下記に記載の平均年収は、フルタイムフリーランサーの場合です。)
スキルは必要であるが案件数は多い
(参考:フリーランスエンジニアの年収は?会社員と比較したメリット・デメリットと年収1,000万円を達成する5つのコツ)
複業系パラレルワーカー、自由業系フリーワーカー
IT技術が進歩する中、ITエンジニアは慢性的に人手不足の状態です。
など、ITエンジニアの種類は多岐に渡ります。
スキルの高いITエンジニアであれば、さまざまな企業から仕事をもらうことができます。リモートワークに対応している企業も多く、柔軟に働きやすい職種であると言えるでしょう。
また、プログラミングスキルだけでなく、要件定義や設計などの上流工程やマネジメントもこなせるITエンジニアであればより仕事の幅が広がります。
しかし、未経験で挑戦するにはハードルが高い仕事です。
プログラミングスクールや学習サービス等でも知識は身につけられますが、フリーランスエンジニアとして働くためにはより広い知識や経験が必要となってきます。
会社員として実務経験のあるエンジニアでなければ、フリーランスとして仕事をもらうことは難しいかもしれません。
スキルは必要であるが案件数は多い
(参考: 独立したウェブデザイナーの年収は?1000万円超えも余裕?)
複業系パラレルワーカー、自由業系フリーワーカー
Webデザイナーは、Webサイトを制作する仕事です。
Web業界の拡大とともに、Webデザイナーの需要も高まっています。
Webデザインのセンスが必要であることはもちろん、プログラミング言語の知識も身につけておくと業務に役立つでしょう。
最近では、WordpressやBASEなど簡単にHPを作れるサービスが浸透し、素人でもある程度見栄えの良いHPが簡単に作れるようになりました。
これからの時代、フリーランスのWebデザイナーとして求められるためには、より専門性を高めていくことが必要になるでしょう。
スキルは必要であるが案件数は多い
(参考:イラストレーターの平均年収)
複業系パラレルワーカー、自由業系フリーワーカー
イラストレーターは、その名の通り絵を描く仕事です。
最近では、SNSのアイコンやブログで使用するイラストなどをイラストレーターに依頼する方も多く、Web業界の拡大とともに需要が高まっています。
クラウドソーシングサイトでイラストレーターの仕事を検索すると、幅広い案件がヒットします。
さまざまな案件の実績を作ることで、多方面から依頼を頂けるようになるでしょう。
最近はデジタルが主流となっているため、パソコンやソフトなどの用意が必要です。
フリーランスのイラストレーターになりたい方は、ソフトも使えるようになっておきましょう。
充実したポートフォリオや新規開拓のための営業力が必要
(参考:ちょっとやらしい話だけど、カメラマンの平均年収を調べてみたよ【980万円】)
副業系すきまワーカー、自由業系フリーワーカー
七五三や成人式、結婚式など、人生の節目にプロのカメラマンに記念撮影をしてもらった経験がある方は多いのではないでしょうか。
以前までは、写真スタジオに行き記念撮影をするのが主流でしたが、最近ではネットやSNSでフリーのカメラマンを見つけ、個人で依頼する方が増えています。
写真スタジオよりも、料金が抑えられることや、より詳細な希望を伝えやすいということから人気を集めているようです。
クラウドソーシングサイトでも、幅広い案件が募集されています。
写真がメインコンテンツであるSNSの発達により、カメラマンもこれからより需要が高まるでしょう。
また、最近ではマッチングアプリ用のアイコンをプロに依頼する方も増えています。
自分の得意分野をアピールポイントとし、「この人に撮ってもらいたい!」と思われるようなカメラマンになれば、安定した収益を得られるでしょう。
併せて画像編集のスキルも必要となってくるため、画像編集ソフトを使えるようになっておくことをおすすめします。
スキルは必要であるが案件数は多い
副業系すきまワーカー、自由業系フリーワーカー
YouTube・動画系SNSの人気から、動画クリエイターの需要が高まっています。
自分で動画編集をするYouTuberもいますが、完全に外注するYouTuberもいます。
動画編集は同じ人に継続依頼をする場合が多いため、クライアントの希望に応えられればコンスタントに依頼を頂ける可能性が高いです。
どんどん市場が拡大していることから、しばらくは案件に困ることはなさそうな仕事です。
今のうちに、動画編集のスキルを身につけておくとフリーランスとして活躍できるようになるかもしれません。
未経験者応募可能の案件多数あり
(参考:フリーランスのライターが収入を増やすための3つの方法)
副業系すきまワーカー
ブログ記事やアフィリエイト記事などを書いて収入を得るWebライター。文章を書くだけなので、パソコンさえあれば誰でも挑戦できる初心者におすすめの仕事です。
非常に案件数が多く、クラウドソーシングサイトでも常時多数の案件が募集されています。しかし、他の職種に比べて報酬が極端に低い案件が多いという特徴があります。
Webライターで稼げるようになるためには、専門性の強い分野を作ったり、SEOについて勉強したりすることで他のWebライター達と差別化を図る必要がありそうです。
アフィリエイト案件獲得は容易だがブログ開設に手間がかかる。アドセンスになかなか合格できない人も。
(参考:【2020年】ブロガー・アフィリエイターになるには?月収110万円アフィリエイターが解説!)
自由業系フリーワーカー
ブロガー・アフィリエイターも需要が高まりつつある職種です。ただ、この2つは収益の安定化が難しい職種でもあります。
Webライターであれば、書いた文字数分報酬をもらえますが、ブロガーやアフィリエイターはそうではありません。
ブログへのアクセスによる広告収入や、アフィリエイトの発生件数による報酬となるため、いくら作業をしても報酬がゼロの可能性もあります。
有名になるとアクセスが増え広告収入につながったり、PR案件がもらえたりと高額報酬が見込めますが、ブロガー・アフィリエイターとして稼いでいるフリーランスはほんの一握りです。
挑戦しようと思う方は、Webライターと並行して行っていくと良いかもしれません。
今回は、需要のあるフリーランスの仕事について詳しく解説しました。
副業や複業としてフリーランスで働く人が増え、従来とは違う新しい働き方が浸透しつつあります。自分の得意分野を生かして、柔軟に働けるというのは理想ですよね。
これからフリーランスになる方は、需要が高まっているIT・Web系の仕事がおすすめです。
ITエンジニアなど高いスキルを必要とするものもあれば、Webライターなど未経験者でも挑戦できる仕事もあります。自分の強みが生かせるような仕事を選んで、フリーランスに挑戦してみてください。