テレワーク中の「音」の悩みを解決する防音対策

山浦寛貴

山浦寛貴

2021.08.20
テレワーク中の「音」の悩みを解決する防音対策 イメージ

テレワークの普及で在宅勤務の機会が増えました。満員電車のストレスから解放され、家族と過ごす時間が取れるなど、テレワークのメリットを実感している人も多いことでしょう。

一方、テレワークはいいことばかりではありません。テレワーク中「音」が気になってイマイチ集中できない、という悩みを抱える人も多くいます。「テレワーク中の困りごととして『音が気になる』と答えた人が4割近くいる」という調査結果も出ています。

そこで、本記事ではテレワーク中の「音」の悩み、解決する防音対策について見ていきたいと思います。


▼ 目次
1. テレワーク中に「音」で悩む人は多い
1-1. テレワークでは多くの人が「音」を気にしている
1-2. ダイニングテーブルでテレワークする人が約4割という結果も
1-3. 「音」は強い味方にもなる?「音」で作業効率は上がることも
2. テレワーク中に気になる「音」の正体は?
2-1. 家族や身の回り|室内の生活音
2-2. 近所|屋外の騒音
2-3. web会議や通話中のノイズ
3. 作業環境が激変!すぐできる防音対策おすすめアイテム5選
3-1. 周囲の音をカット!ノイズキャンセリングイヤホン
3-2. 取り外し簡単!吸音パネル・吸音シート
3-3. 専用スペースが完成!パーテーション
3-4. 部屋の印象を変えて気分転換にも!防音カーテン
3-5. まさにテレワーク専用の部屋!防音ルーム
4. そもそもテレワークに集中できない場合は?
5. (まとめ)テレワークは音も味方につけた環境づくりが大切!


テレワーク_防音対策

テレワーク中に「音」で悩む人は多い

自宅でテレワークをするときに「なかなか集中できない…」と悩んでいませんか。オフィスのように急な声掛けや電話応対がないにもかかわらず、なぜ集中できないのでしょうか。

原因は、「音」です!

実は、テレワーク中はオフィスでは聞くことがなかったさまざまな「音」があるため「音」が原因で集中できず悩む人が多いんですね。

 

テレワークでは多くの人が「音」を気にしている

リノベるの調査によると、「テレワーク仕事をする際に困ったことの1位は『家族の声や生活音などの音が気になる』(43.8%)」でした。この調査結果からも、テレワークでは多くの人が「音」に悩まされていることがわかります。

家族の生活音、パートナーやお子さんの話し声など、普段は気にならなくても仕事中だと気になってしまうものです。

単純作業であれば問題ありませんが、大切なweb会議やオンライン商談の場面では無意味な「音」は絶対に避けたいですよね。

 

ダイニングテーブルでテレワークする人が約4割という結果も

気になる「音」には、どうやらテレワークする場所が関係しているようです。

株式会社リクルート住まいカンパニーが実施した調査によると、テレワークの実施場所としては「リビングダイニング(ダイニングテーブル)が39%」と最も多いことがわかりました。

自宅でテレワークを行うとしても、「専用のワークスペースがない」「賃貸だから防音工事ができない」などの理由からやむを得ずダイニングテーブルで作業している人も多いでしょう。

さらに、テレワークが継続されるかわからないので環境整備に乗り出せない、という意見もよく耳にします。

 

「音」は強い味方にもなる?「音」で作業効率は上がることも

ここまで「音」に関する悪いイメージをお伝えしてきましたが、完全な悪者と決めつけるのは待ってください。

実は、適度な環境音があると、むしろ作業効率が高まるという研究結果があります。

”文書編集作業では,作業の始めと終わりの正確さを比較すると,環境音楽群では20%改善
されたが,ラジオ群ではほとんど変化なく.無音群では正確さがマイナスに変化した.”
 

環境音とは「50dB(デジベル)程度の聞こえているけど気にならない音」を指します。以下の3つがわかりやすい例です。

• カフェのBGM
• 雨音、波の音
• 川のせせらぎ、鳥のさえずり

なぜ、環境音があると作業効率が高まるのか、理由を見ていきましょう。

無音  : 意識が外に向いてしまう
 
騒音  : 騒音に意識が向いてしまう
 
環境音 : 環境音が周囲の音をかき消すので、意識が外に向かず集中力が保たれる

つまり、適度な環境音は作業効率を高めてくれる、いわば味方のような存在だといえますね。筆者自身はテレワーク用にインストゥルメンタルのプレイリストを作り、作業中に流しています。

 

テレワーク_防音対策

2.テレワーク中に気になる「音」の正体は?

テレワーク中に気になる「音」!すぐにでも対策したいところですが、まずは「音」の正体を見ていきましょう。

 

家族や身の回り|室内の生活音

• 食器を洗う音
• お子さんがおもちゃで遊ぶ音
• ペットの鳴き声など

普段であれば全く気にならない音でも、仕事モードだと気になるもの。

テレワーク中「家から出てくれ」「家で話さないでくれ」とは言えませんので、音が気になる場合には耳栓やイヤホンなど、家族の生活にも配慮した防音対策が求められます。

 

近所|屋外の騒音

• 隣人の生活音
• 工事の音
• 電車、車の音
• 踏切の甲高い音など

学校や公園が近くにある場合は、子どもの遊ぶ声なども気になるかもしれませんね。

隣人や保護者への注意はトラブルにつながるケースもありますので、防音カーテンやパーテーションを設けて、作業スペースの防音対策を充実させる必要があります。

 

web会議や通話中のノイズ

• web会議の声が大きい
• 通話中の音声が漏れる

周りだけではなく、ご自身の「音」にも気を配りましょう。共働きで夫婦ともにテレワークのとき、web会議・通話中の声が他の部屋に漏れてしまう可能性もありますよね。

吸音パネル・吸音シートを使うことで、家族への配慮、ご自身の情報を守る防音対策も忘れずに。

 

テレワーク_防音対策

作業環境が激変!すぐできる防音対策おすすめアイテム5選

「音」に悩まされない、生産性の高いテレワークを実現するための防音対策を見ていきましょう。

「賃貸物件で防音工事ができない」「持ち家だけど自室がない」という人もご安心ください。簡単に、すぐできる防音対策アイテムを5つご紹介します。

株式会社リクルート住まいカンパニーが実施した同調査によると、テレワーク用に自宅環境を整えた人の平均予算は、5〜10万円でした。防音対策を含め、環境を整えたい人は一つの目安としてご参考ください。

 

周囲の音をカット!ノイズキャンセリングイヤホン

1つ目は、ノイズキャンセリングイヤホンです。おすすめする理由は、その遮音性。

洗濯機の音、家族の話し声など生活音をカットしてくれます。また、高い遮音性から、屋外の騒音はほとんど聞こえません。

とても実用的なアイテムで、web会議中はイヤホンマイクに、会議以外の時間はBGMを聞くイヤホンになる、などとても多くの顔を持っています。

たとえば、AppleのAirPods Proは、外部音取り込みやノイズキャンセルレベルの調整が可能です。そのため、耳栓代わりに使うこともでき、配送品の受け取り、近くで子どもが喧嘩を始めた…というときもすぐ駆け付けられますね。

テレワークでおすすめのノイズキャンセリングイヤホンはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧くださいね。

 

 

取り外し簡単!吸音パネル・吸音シート

2つ目は、吸音パネル・吸音シートです。自室の声を隣の部屋に漏らしたくない人におすすめで、手軽かつリーズナブルに防音環境を手に入れられますよ。

設置方法はとても簡単。吸音パネルは壁のフックに引っ掛けるだけ(貼るタイプも有)、吸音シートは床に敷けば完成です。

賃貸物件で工事できない、マイホームを傷つけたくないという人でも必要な期間だけ設置して不要になったら取り外す。簡単に部屋は元通りです。

たとえば、インテリアパレットのフェルメノンなら数千円で購入できます。吸音パネルなどの実物を見たい人は、近くのホームセンターを覗いてみましょう。

 

専用スペースが完成!パーテーション

3つ目は、パーテーションです。作業スペースの周りにパーテーションを置けば、簡易的な作業部屋が作れます。

パーテーションは、デスク上に置くタイプ床に置くタイプの2種類に分かれます。どちらも、仕事とは無関係なものが視界に入らなくなるため、作業に集中できますよ。より高い防音効果を希望するなら、吸音素材のパーテーションがおすすめです。

ただし、使わないときには収納スペースが必要です。折り畳み式、大きさなどを考慮して購入すると困らないでしょう。

 

部屋の印象を変えて気分転換にも!防音カーテン

4つ目は、防音カーテンです。テレワーク用の自室がある人におすすめで、インテリアや部屋の印象を変える役割も果たします。

防音カーテンは外からの音だけではなく、声が室内に響くのを抑制してくれます。web会議や電話を頻繁にする人にピッタリですね。

ただし、あまりにもうるさいからといって、一日中カーテンを締め切ると日光を浴びられず健康に影響が及ぶことも考えられますです。休憩のついでに、日光を浴びるよう心がけましょう。

”日光を浴びる時間が不足すると、紫外線を浴びることによって体内で生成されるビタミンDが不足し、健康に影響が及ぶことも考えられます。”
 

筆者自身が試して効果を感じた方法を紹介します。

1. ポモドーロテクニック(25分の作業時間+5分の休息時間)
 
2. 5分の休息時間に、カーテンを開ける
 
3. 日光を浴びる(2〜3分)

気分転換になって、気分がスッキリしますよ。日中が無理なら、仕事を始める前に2〜3分浴びればOKです。目が覚めて、仕事モードをオンに切り替えられます。

カーテンくれないびっくりカーペットなら豊富なカラーバリエーション、機能を持つ防音カーテンを選べますよ。

 

まさにテレワーク専用の部屋!防音ルーム

5つ目は、防音ルームです。テレワーク専用の部屋が欲しい、周りを気にせず作業に没頭したいという人におすすめです。

防音ルームは、部屋の中にさらに小さな部屋を置くイメージです。防音効果は5つの中で最も高いですが、設置が大変、ルーム内が熱く換気が悪いというデメリットがあります。

最も効果的で高価な対策ですね。たとえば、防音専門ピアリビングには198,000円(税込)のおてがるーむという商品があります。

購入の際は、間取り、部屋のデザイン、作業環境などを十分に考慮しましょう。

5つの防音対策を表にまとめると次のとおりです。

防音対策 手軽さ 費用 効果 デメリット
ノイズキャンセリングイヤホン 室内 ◎
屋外 ◎
費用が高い
吸音パネル・吸音シート △〜◯ 室内 ◯
屋外 ◯
部屋が広いと費用がかかる
パーテーション 室内 ◯
屋外 △
収納スペースが必要
防音カーテン 室内 △
屋外 ◯
使い回せない
防音ルーム 室内 ◎
屋外 ◎
費用が高い
熱くて換気が悪い


ノイズキャンセリングイヤホン
手軽さ
費用
効果 室内 ◎/屋外 ◎
デメリット 費用が高い
吸音パネル・吸音シート
手軽さ
費用 △〜◯
効果 室内 ◯/屋外 ◯
デメリット 部屋が広いと費用がかかる
パーテーション
手軽さ
費用
効果 室内 ◯/屋外 △
デメリット 収納スペースが必要
防音カーテン
手軽さ
費用
効果 室内 △/屋外 ◯
デメリット 使い回せない
防音ルーム
手軽さ
費用
効果 室内 ◎/屋外 ◎
デメリット 費用が高い
熱くて換気が悪い

テレワーク_防音対策

そもそもテレワークに集中できない場合は?

防音対策について伝えてきましたが、「音」に関係なくそもそもテレワークに集中できないという人もいるでしょう。

たしかに、本来リラックス空間である自宅で仕事に集中する、というのは難しいですよね。

ただ、テレワークの時こそ定時に仕事を終えて、家族とゆっくり過ごしたり、趣味の時間を作るべきだと筆者自身は考えます。

もしも、テレワークに集中できないな…という悩みをお持ちであれば、『テレワークに集中できない時の対処法』の記事を参考してください。
 

 

(まとめ)テレワークは音も味方につけた環境づくりが大切!

テレワークで気になる「音」の悩み、解決するための防音対策についてまとめました。

「家族の生活音が気になる」「外から聞こえる音で集中できない」とお困りのあなたも、防音対策さえすれば、「音」に悩まされず集中できる環境をすぐに作れます。

騒音をシャットアウトしたり無音にするのではなく、「音」も味方につけたテレワーク環境をつくることが大切です。

ぜひ快適なテレワーク環境で最高のパフォーマンスを発揮されたいみなさまの防音対策の一助となれば幸いです。

山浦寛貴
この記事を書いた人

山浦寛貴

山登り、犬と猫が大好きなライター。平日はジム、休日はHip-HopとR&Bを聞きながら読書をしています。