バーチャルオフィスで法人登記は違法ではない

バーチャルオフィスの住所を本店所在地として法人登記すること自体は、法律で禁止されていません。
会社法は、定款に本店の所在地を記載すること(第27条第3号)と、株式会社であれば本店の所在場所を登記すること(第911条第3項第3号)を定めていますが、その場所を自社で所有する事務所や賃貸の事務所に限る規定はありません。ワンストップビジネスセンターのバーチャルオフィスは、全プランで法人登記が利用可能です。
ただし、どのような事業でも利用できるわけではありません。許認可が必要な業種、実体のある事務所が求められる業種、住民票や本人確認書類の住所として使いたいケースでは、バーチャルオフィスの住所が適さない場合があります。
このページでは、バーチャルオフィスで法人登記できるケースと、契約前に確認すべき注意点を整理します。

バーチャルオフィスが違法性を問われる理由
バーチャルオフィスは法律に則って提供されるサービスですが、過去に悪用された事例があることから、違法性を不安視される場合があります。
住所と電話番号を借りるだけで事業の拠点があるように見せられるため、実態のない会社を装った詐欺や、他人になりすましたローンの不正な申し込み、犯罪で得た資金の出所を隠すマネーロンダリングに使われるおそれがあるためです。
こうした悪用を防ぐため、バーチャルオフィス事業者には法律で本人確認が義務づけられています。
バーチャルオフィス事業者に義務づけられた本人確認
犯罪による収益の移転防止に関する法律、いわゆる犯罪収益移転防止法の第2条第2項第44号は、郵便物受取サービスや電話受付代行サービスを提供する事業者を、特定事業者と定めています。対象は、顧客に自社の住所を郵便物の受取場所として使わせて届いた郵便物を引き渡す事業者や、顧客に自社の電話番号を使わせて電話を取り次ぐ事業者です。
特定事業者は、契約の際に顧客の氏名、住居、生年月日、法人であれば名称と本店所在地を確認し、あわせて取引の目的と職業や事業の内容も確認しなければなりません。これは同法第4条第1項が定める取引時確認です。所管の行政庁は、第16条から第18条に基づき、事業者への立入検査や指導、違反があった場合の是正命令を行えます。
ワンストップビジネスセンターも特定事業者にあたります。
当社は「犯罪収益移転防止法」に基づき、全てのお客様に本人特定事項の確認を行っています。
必要書類と手続きの流れは「バーチャルオフィスご利用までの流れ」で確認できます。
バーチャルオフィスで法人登記する際に注意が必要な業種
一部の業種では、許認可や登録の要件として、実体のある事務所や専用スペースが求められる場合があります。
そのため、バーチャルオフィスの住所を本店所在地として登記できたとしても、営業許可や登録の要件を満たせないケースがあります。
・士業(税理士、弁護士、司法書士、行政書士など)
→ 個人情報の取り扱いやクライアントとの信頼関係構築において、物理的なオフィスの所在地が求められるためです。士業ごとの事務所の要件は、「バーチャルオフィスを利用して士業の許認可申請をする方法と注意点」で説明しています。
・古物商
→ 古物の取引は実体のある事業所での取引が法律で要求されるためです。また、詐欺や盗品の取引防止の観点から、実際に活動している住所が必要とされるためです。古物営業を営むには、古物営業法第3条により公安委員会の許可が必要です。
・有料職業紹介業
→ 求職者と求人企業の間に立って職業を紹介するため、実際に活動している住所が求められるためです。有料職業紹介事業を行うには、職業安定法第30条により厚生労働大臣の許可が必要です。
・人材派遣業
→ 派遣する労働者との契約や労働条件の説明など、対面でのやり取りが重要視されるため、実際の活動拠点が必要とされるためです。労働者派遣事業を行うには、労働者派遣法第5条により厚生労働大臣の許可が必要です。
・宅地建物取引業
→ 不動産の売買や賃貸に関する業務は、物件情報の正確な把握やクライアントとの対面でのやり取りが重要とされるためです。宅地建物取引業法第3条により、事務所を設置して営業するための免許が必要です。
・金融商品取引業
→ 顧客資産の適切な管理や投資アドバイスの提供を行う上では透明性や信頼性が必要となるため、実際に活動している住所が必要となります。
・産業廃棄物収集運搬業
→ 環境保護および公衆衛生の観点から、廃棄物の適正な管理と処理が法律で規定されているためです。
許認可の要件は業種や地域によって異なるため、契約前に所管の行政庁へ確認してください。
ワンストップビジネスセンターでは、事務所面積の条件や実体のある事業所の設置が必要な業種については、そもそもバーチャルオフィスでの営業ができないため、審査の以前に申し込みができません。
ワンストップビジネスセンターの悪用防止の取り組み
ご利用いただいている方々のためには、バーチャルオフィスが悪用されない状態を保つことが重要な課題だと考えています。
審査を通過された事業者だけにご利用いただけるのが、ワンストップビジネスセンターのバーチャルオフィスです。審査の目的や必要書類は「バーチャルオフィス審査の概要」で確認できます。
数あるバーチャルオフィスの中には、審査が甘すぎる業者や、書類請求のみで実質的には無審査の業者もあります。こうした業者は、犯罪収益移転防止法が定める本人確認の義務を果たしていないおそれがあります。
悪徳業者に利用されないためにも、当社では顧問弁護士の指導のもとに「利用権契約書」と「利用規約」を整備し、契約者様にご理解をいただき、ご利用をいただいております。もし、虚偽の報告を行い無断で違法行為をした場合は、契約違反とみなし、即時、強制解約、損害賠償の請求、ならびに警察への通報などの対応をとらせていただいております。
詳細は「ワンストップビジネスセンター利用規約」をご確認ください。


