バーチャルオフィスのビル名変更や移転で起きるリスク

複数のテナントが入居しているビルや、老朽化がみられる建物は、さまざまな事情でビル名が変更になってしまうことがあります。
ビル名が変わると会社案内に掲載している住所の記載を変更するだけでなく、法人登記の変更が必要になり、その費用はすべて住所利用をしているご契約者さまの自己負担となります。
この記事では、ビル名が変わる時にはどんなケースが考えられるか、また費用負担や発生しうるリスクについても解説します。
バーチャルオフィスのビル名は所有権の譲渡などで変わる
バーチャルオフィスを提供している運営会社が借りているビルが自社ビルではなく雑居ビルの場合、ビル名が変更されるリスクがあります。
ビルのオーナーが変わったり管理が行き届かず銀行に所有権が映ったりすると、ビルの名称が変更されることが多いためです。
また、再開発によってビルが取り壊されたり大規模な改修工事が入ったりすると、権利を有するオーナーは変わらなくてもビル名が変わる可能性があります。
ビル名が変わりにくいバーチャルオフィスを選ぶポイントとは
こうしたリスクを限りなく0にしたいと考えるならば、自社ビルを構えている業者から住所を借りるか、安定した不動産管理ができているところを探すのが一番です。
所有権が不動産ファンドにあるビルなどは、不意に売却される可能性もあるので避けた方がよいかもしれません。
とはいえ、不動産管理の内情については部外者にとって知り得ないものです。オーナー(あるいは所有する企業)の身元が確かであっても、絶対にビル名が変わらないとは限らないので、ある程度リスクを知っておく必要があります。
バーチャルオフィスのビル名が変わると起こりうるリスク
ビル名が変更された場合、それまでに公開していた住所情報も変更しなければなりません。
住所情報の変更に伴う費用は、原則としてすべて自己負担(事業者さま負担)となる場合がほとんどです。
名刺、パンフレット、サイトの住所情報の更新が必要
住所情報を載せている名刺やパンフレット、チラシといった紙媒体を刷新する、サイト情報の更新をおこなう必要があります。
新しくプリントしなおす印刷物が多ければ多いほどコストがかかりますが、古い住所情報が残っていると信頼を損ないやすいので対応せざるを得ません。
紙媒体が少ない場合やコストをかけたくない場合は、修正シールを貼って対応することも可能です。
法人登記にビル名を載せていたら登記変更を
法人登記の住所としてバーチャルオフィスを利用しており、ビル名を記載している場合は、登記変更が必要になります。
登記の変更は3万円で、ほかに変更すべき届出がある場合も都度変更届を提出していくことになります。
ビル名を登記簿に記載しない方法
ビル名が変更されても登記変更しないで済む手段として、ビル名を登記簿に記載しないという方法があります。
登記簿にはビル名を記載せずに番地まで載せていれば登録できるため、ビル名が変わっても登記変更は不要です。
しかし、住所情報が詳細に記載されていないことで、郵便物が正しく届かなくなったり、宅配物が宛先不明で戻されたりすることがあります。郵便物や宅配物のやりとりがほとんど発生しない業種であれば、ビル名の登記簿への記載はせずとも問題はありません。