
米持幸寿さん
34年のITキャリアを強みに、自分らしい「ミニマム経営」を実践
外資系コンピューター企業や自動車メーカーの研究所で、34年にわたりソフトウェア開発に携わってきた米持さん。
現在は、音声認識技術を活用したシステム開発を手がける会社を経営し、大手企業向けの業務システム開発や、自社プロダクトの開発にも取り組まれています。
今回は、ワンストップビジネスセンター川崎店をご利用いただいている米持さんに、これまでのキャリアや事業への想い、バーチャルオフィスを選んだ理由、そして固定費を抑えながら自分らしく働くための考え方についてお話を伺いました。
米持 幸寿さん
Pandrbox合同会社 代表
神奈川県川崎市在住
ご利用店舗:ワンストップビジネスセンター川崎店
外資系コンピューター企業で28年、自動車メーカーの研究所で約5年間、ソフトウェア開発やAI研究に携わった後に独立。個人事業主として事業をスタートし、大手企業との取引をきっかけに法人化。現在は、音声認識技術を活用した業務システムの開発支援を中心に、自社プロダクトの開発にも取り組んでいる。

音声認識技術で企業の業務改善を支える
現在の事業内容について教えてください。
当社のメイン事業は、音声認識技術を活用したシステム開発です。
人が話した言葉を文字に変換し、システムへ入力できるようにする技術ですが、私たちは単純な音声認識ソフトを提供しているわけではありません。
企業ごとに異なる業界用語や専門用語を学習させ、実際の業務で使えるレベルまでチューニングすることが主な仕事です。
御社ならではの強みはどのようなところですか。
当社の強みは、音声認識技術だけでなく、企業の既存システムやクラウドサービス、スマートフォンアプリまで含めて設計・開発できることです。
音声認識は便利な技術である一方、業界ごとの専門用語や略語への対応が難しく、「仕事では使えない」と思われることも少なくありません。
しかし当社では、お客様の業務に合わせて専門用語までチューニングを行い、既存システムとも連携させながら、実際の業務で活用できるシステムを提供しています。
これまでのご経歴について教えてください。
私は長年、IT業界で仕事をしてきました。
外資系のコンピューター企業で28年、自動車メーカーの研究所で5年ほど勤務し、ソフトウェア開発に携わってきました。研究開発から製品化、運用まで、ソフトウェアのライフサイクル全体に関わる経験を積んできたと思います。
研究所ではAIの研究にも携わり、管理職としてチームを率いる一方で、自らプロジェクトを持ち、実際に手を動かしながら開発も続けていました。

経営の仕組みを知り、独立を決意
起業しようと思ったきっかけを教えてください。
実は最初の会社を辞めるときにも、独立を考えたことがありました。
ただ、その当時は経営の知識がほとんどなく、「この状態で起業するのは難しい」と感じて転職を選びました。
転職先では経営層に近い立場で仕事をする機会があり、契約書のレビューなども担当しました。そこで経営の仕組みが見えるようになり、「これなら自分でもやれそうだ」と感じたことが大きかったですね。
また、会社員時代から周囲に「個人事業主みたいな働き方だね」と言われることも多く、一人で仕事を進めるスタイルが自分に合っていたことも、独立を後押ししました。
そうして独立を決意し、個人事業主として事業をスタートしました。その後、大手企業との取引が増えてきたこともあり、法人化して現在に至ります。
今後の展望について教えてください。
会社の規模を拡大したいというよりは、今の規模感を維持しながら、自分たちならではの独自の技術を活かした開発に注力したいと考えています。
現在は企業向けのシステム開発に加え、自社プロダクトとしてコンシューマー向けアプリの開発も進めています。
これまで培ってきた音声認識技術やソフトウェア開発の知見を活かしながら、新しい価値を提供していければと思っています。

10社以上を比較して見つけた「ミニマム経営」に合うサービス
バーチャルオフィスを利用しようと思ったきっかけを教えてください。
法人登記をする際、自宅の住所を公開したくなかったことが一番の理由です。
そのため、バーチャルオフィスを検討しましたが、私が必要としていたのは「登記できる住所」と「郵便物の転送」だけでした。
昔から在宅で仕事をすることが多く、今もオフィスへ通わなくても仕事は完結します。立派なオフィスや会議室は必要なく、自分の事業に本当に必要な機能だけあれば十分だと考えていました。
他社サービスとの比較はされましたか。
かなり比較しました。10社以上は検討したと思います。
レンタルオフィスやシェアオフィスがセットになっているサービスも多くありましたが、私には立派なオフィスや会議室は必要ありませんでした。
また、月額料金が安く見えても、郵便転送がオプションになっていて、1通ごとに料金が発生するサービスも少なくありません。会社設立当初は行政機関や取引先などから郵便物が多く届くため、結果的に高くついてしまうと思いました。
ワンストップビジネスセンターに決めた理由を教えてください。
決め手は、私が求めていたサービスが過不足なく揃っていたことです。
ワンストップビジネスセンターは、それらのサービスが基本料金に含まれていて料金体系も分かりやすく、余計な設備やサービスにコストをかけずに済む点が魅力的でした。
私が目指している「ミニマムな経営スタイル」に最も合っているサービスだと感じ、利用を決めました。
川崎店を選んだ理由を教えてください。
地元である川崎市に法人の拠点を置きたいという思いがありました。
また、川崎市は起業家向けの支援制度や相談窓口が充実しているため、事業を進めるうえでもメリットが大きいと感じています。
実際に使ってみた感想を教えてください。
郵便物の転送もスムーズで、とても満足しています。
もし自分で郵便物を取りに行くとなると、移動時間や交通費もかかります。その点、自動的に転送してもらえるのは非常に合理的です。
私自身、一人ですべての業務を行う「ミニマム経営」を実践しています。ワンストップビジネスセンターのように、本当に必要なサービスだけを適正な価格で提供してくれる仕組みは、とても助かっています。

固定費を抑え、自分でできることは自分でやる
現在はどのような働き方をされていますか。
現在は一人ですべての業務を行っています。
会計や税務はクラウドサービスを活用し、商標などの手続きも行政の無料相談窓口を利用しながら、自分で対応しています。
もちろん専門家へ依頼する選択肢もありますが、自分で学び、仕組みを理解して対応することで固定費を大きく抑えられます。
バーチャルオフィスを選んだ理由も同じ考え方で、自分に必要な機能だけを選ぶことで、無駄なコストをかけずに事業を続けられています。
これから起業を考えている方へメッセージをお願いします。
起業を考えている方にお伝えしたいのは、自分の専門分野だけでなく、経営や税務の知識も身につけておくことが大切だということです。
技術やサービスを提供するだけでなく、起業する以上は、経営者として経理や税務にも向き合う必要があります。税金や会社設立の仕組みを理解しておくことで、余計なコストを抑えながら、リスクを減らして事業をスタートできます。
今はクラウド会計ソフトや行政の無料相談窓口なども充実しています。そうしたサービスを上手に活用すれば、一人でも十分に事業を運営することは可能です。
まずは経営や税務の仕組みを学び、自分に合った形で無理なくスタートしてほしいですね。そうすれば、リスクを抑えながら長く事業を続けられると思います。
取材を終えて
今回お話を伺って印象的だったのは、「必要なものだけを選ぶ」という米持さんの考え方でした。
バーチャルオフィスを選んだ理由も、「費用が安いから」ではなく、自分に本当に必要な機能だけを見極めた結果。事業でも働き方でも、その考え方が一貫していることが伝わってきました。
起業すると、「会社らしく見せるために何かを増やす」ことに意識が向きがちですが、米持さんは反対に、不要なものを削ぎ落とし、自分の強みを最大限に活かせる環境を整えています。
バーチャルオフィスは単なる住所サービスではなく、自分らしい働き方を実現するための選択肢の一つ。そんなことを改めて深く実感したインタビューでした。


