バーチャルオフィス選び方 役立つ7つのチェックポイントとは?
東京都心部では一等地を中心にバーチャルオフィスの運営会社が増えているため、どのバーチャルオフィスを選べばいいか迷うことがあるかと思います。
「自社ビルを所有しているから」などの動機で参入したバーチャルオフィス業者は、何年後かに、突然大幅な値上げをしたり、バーチャルオフィスを閉鎖したりしてしまことがあるため、慎重に選ぶ必要があります。
また、ご自身の業種や事業規模などニーズに沿ったサービスを提供おり、長期的に利用できるバーチャルオフィスの運営業者を選びたいものです。
そこで、あなたのバーチャルオフィス選びに役立つ7つのチェックポイントをまとめてお伝えします。スタートアップの方などに参考にしていただき、希望に合うバーチャルオフィス選びや比較をしてみてください。
希望のサービスを提供しているか?
バーチャルオフィスのサービスは、運営業者により種類や質、料金も様々で違いがあり、「安い」「サービスが充実している」「高級感」など特徴が違いますので、ご自身の業種や事業目的に合ったサービスかどうかチェックしていきましょう。
レンタル住所の利用サービスの選び方
バーチャルオフィスからレンタルする住所に関しては、住所名によりブランディングに直結するイメージが変わってきますので、細かい地名まで確認して「最寄りの路線、駅名」だけで選ばないようにしましょう。
例えば、アパレル関係の事業であれば、高級海外ファッションブランドが立ち並ぶ青山・表参道エリアの住所が良いでしょう。また、都心の企業との取引が多い場合は、都心の主要駅へアクセスしやすい品川駅周辺の住所が良いでしょう。
ちなみに品川駅は品川区ではなく港区に存在していますので、駅名と住所から受けるイメージの違いには注意が必要です。このように駅名と提供住所に違いがある場合もあるため、バーチャルオフィスを選ぶ場合はその辺も確認しておきましょう。
バーチャルオフィス契約前に細かい住所の違いを確認し、本店移転や住所移転をすることも考えて管轄の税務署や銀行が移転前と同じエリアを選ぶと、手続き費用も安く、手続きもスムーズに行えて良いでしょう。
それ以外にも、会社設立時には自治体による助成金や補助金などの支援制度を利用することもできるので、バーチャルオフィスの住所を管轄する自治体のWebサイトを忘れずにチェックするようにしましょう。
郵便サービスの選び方
バーチャルオフィスでは、郵便物や荷物の受け取りや保管、転送サービスなどを行っているため、自社に必要なサービスを選びましょう。
郵便転送サービスは、バーチャルオフィスの運営業者によって方法や料金に差があります。郵便物を毎週無料で転送してくれるオフィスや、月1〜2回の転送のみであるオフィスもあります。また、受け取りや転送の度に追加料金が発生するところなどがあるため、契約前に確認しましょう。
契約前に確認したい郵便サービスの内容やオプションサービスの有無、料金の項目は次のとおりです。
・郵便物の転送の回数やタイミング
・郵便物受け取り連絡の有無と料金設定
・郵便物受け取り連絡のタイミング
・受取可能な荷物のサイズや重さ
・書留などのサインが必要な郵便物の受取可否
・郵便物の保管可否
・発送代行を依頼できるのか
など
電話サービスの選び方
各バーチャルオフィスでは、固定電話番号提供、電話番号の持ち込み(ナンバーポータビリティ)、電話転送、電話代行、電話秘書サービスなどを取り扱っており、それぞれの特徴から必要なものを選びましょう。
ビジネス面では090や050などからはじまる携帯電話やIP電話番号よりも固定電話番号は信頼性が高いため、導入を検討する場合はバーチャルオフィスで固定電話番号の取り扱いがあるか確認しましょう。
また、コールセンターの秘書代行サービスを利用するたびに都度料金がかかるなど、利用頻度や回数によっては長期的にコストがかかることがあるため、契約前に各サービスの詳細や料金設定について確認しましょう。
貸し会議室やセミナールーム、コワーキングスペースなどのレンタルスペースの選び方
顧客との商談や会議をする機会が多い場合は、会議室やセミナールームなどのレンタルスペースを貸し出しているバーチャルオフィスを選びましょう。また、作業スペースが必要になる可能性がある方は、コワーキングスペースのあるバーチャルオフィスを選ぶとよいでしょう。
レンタルスペースの利用を検討する場合は、契約前に会議室等の設備を見学することをおすすめします。会議室の建物やエントランスの見栄えが悪いケースや、共有スペースがパーテーションで区切られただけであり、話し声が外部に漏れやすい環境であるケースがあるためです。
利用時の状況を想像し、自社のニーズを満たせるレンタルスペースであるのかを事前に確認しましょう。
また、レンタルスペースの収容人数や利用料金も、契約前に確認が必要です。レンタルスペースを利用時にかかる料金設定はバーチャルオフィスごとに異なり、月額サービスに利用料金が含まれている場合と、利用する度に1時間単位で料金が発生するオプション対応である場合があります。
料金がサービス内容に見合っているか?
バーチャルオフィスを選択するときは、利用料金がサービス内容に見合っているかを確認しましょう。
月額1,000円前後など、月額料金が低く設定されているバーチャルオフィスは、サービス内容が限定的であったり、選べる住所が少なかったりなどの制限がある可能性があります。
一方で月額1万円以上のバーチャルオフィスは、数多くの住所候補から都心の住所を選べたり、電話代行サービスや専用電話番号の取得といったサービスが追加料金なしで使用できたりするなど、プランのサービス内容が充実していることがあります。
初期費用や月額基本料など、コストだけでバーチャルオフィスを決定するのは注意が必要です。リーズナブルな料金かどうかよりも、受けられるサービスに対して適正な料金が設定されているかどうかという視点を持つことがポイントです。
また、バーチャルオフィスは比較的長期的に利用することが多いので、検討する際には、しっかりと料金比較をして適正価格を見極め、毎月の支払いをシュミレーションしておくことをお勧めします。
基本サービス以外のオプション料金はいくらなのか、保証金や解約金、更新料の有無などについてもチェックが必要です。
バーチャルオフィス選びに失敗しないためには、ご自身が利用するバーチャルオフィス利用のトータルコストを計算し、継続的に月々のコストが安くてお得なのかどうかを判断することが大切です。
- 料金を比較するポイント
・入会金、保証金、共益費、初期費用などの契約時に発生する料金を確認する
・月額のトータルコストで比較検討する。消費税は内税か外税か、月額利用料金には住所利用、郵便物転送、電話番号利用や逆転送、電話代行サービスや秘書電話サービスなどの中で、どのようなサービスが含まれているのか確認する
・郵便物の転送や電話の転送料金、会議室の利用など不定期で発生する可能性があるオプション料金を確認しておく
・最低契約期間や契約の更新費用、解約金の有無について確認する
バーチャルオフィス運営会社の実績や信頼度を確認する
バーチャルオフィスを選ぶときは、運営会社のサービス運営実績を確認しましょう。バーチャルオフィスを契約後に運営会社が廃業した場合、自身の会社の信用にも影響することがあるためです。
また、住所登記の変更だけでなく、名刺やパンフレットの刷りなおし、ホームページやネットショップの変更など多大なコストを伴います。
多くの事業者のホームページには、会社の創業年や利用実績、利用者からの口コミなどが掲載されています。
以下に長くお付き合いできそうなバーチャルオフィス会社を選ぶ際のポイントを記載します。
- 長くお付き合いできそうな会社かどうかチェックするポイント
・バーチャルオフィス運営業者のホームページでこれまでの事業実績や会員数を確認
・最近の運営会社の利益を確認し、下降傾向にある場合は利用を避ける
・帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用情報リサーチ会社で、バーチャルオフィス運営事業者の信用情報(信用情報会社のコメントや売上や利益の安定性など)について確認
・会社の業歴、資本金を確認。バーチャルオフィス運営は少なくとも5年以上、資本金は1,000万円以上はあるところを選ぶ
店舗数、拠点数が多いか?
バーチャルオフィスの拠点の保有数は、検討中のバーチャルオフィスが人気の企業であるかを見極める大事なポイントです。
多くの拠点や店舗を有しているバーチャルオフィス運営企業は、同業他社に比べて比較的会員数も多く、サービスが安定している傾向が高いです。
市場の開拓や事業拡大のため、海外や地方での法人設立や支店設立を目指す起業家にとっても「拠点数」の多いバーチャルオフィスを選ぶことはおすすめです。
また、拠点数の多いバーチャルオフィスは利用できる住所やレンタル会議室の選択肢が増えるので、ご自身のビジネススタイル、取引先や顧客に合わせて使い勝手の良い店舗(拠点)を選ぶことができるというメリットもあります。
運営スタッフの有無や雰囲気を踏まえて選ぶ
バーチャルオフィスを選ぶときは、受付や運営スタッフの有無を確認してから契約してください。
クライアントの訪問が多い場合などは、スタッフが常駐し、受付や電話対応を任せることができるオフィスを選択しましょう。クライアントが予約なしで来訪した場合なども受付が臨機応変に対応できるため、相手先に安心感を与えられます。
また、スタッフが常駐するオフィスを選ぶ場合は、内見をして対応を任せるスタッフの雰囲気や接客なども確認しましょう。来客対応や電話秘書サービスを利用する場合は、バーチャルオフィススタッフの接客対応がお客様の会社の評価へダイレクトに反映されるためです。
優良なバーチャルオフィス会社は、優れた人材の確保や育成を積極的に行ったり、Webサイトにスタッフの写真を掲載したりするなどして、お客様の信頼を得るための工夫を凝らしています。
接客サービスに力を注いでいるバーチャルオフィスの選択は、結果的に自身のビジネスに良い効果をもたらすので、安心です。
バーチャルオフィスという目に見えないものだからこそ、接客やサービスなど人の大切さを感じられるバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
バーチャルオフィスの入会審査をしっかりやっているか?
バーチャルオフィスを選ぶときは、入会審査がきちんと行われているかを確認しましょう。入会審査が簡単な場合、詐欺業者や反社会勢力の関係者などの審査も通りやすくなるため、違法な目的でオフィスが利用される可能性を高めてしまうためです。
もしも悪徳業者がバーチャルオフィスを使いながら大きな犯罪でニュースになってしまった場合に、ご自身の使っているレンタル住所の価値が毀損していまいます。ご自身の会社のイメージやブランド力を守るためにも厳しい入会審査をしているバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
バーチャルオフィスの運営会社は犯罪収益移転防止法に則り、法令順守のもと運営することが法律で義務付けられています。警察庁・総務省・経済産業省などの所轄官庁による監督や指導だけでなく、厳格な審査基準が設けられています。
審査の基準や考え方についても契約候補のバーチャルオフィスに尋ねてみるといいでしょう。
知人が使っているかどうか?
利用者の口コミを参考に、バーチャルオフィス選びを行うのも1つの方法です。知名度や人気の高いバーチャルオフィスは、顧客が離れない理由があります。
もし、あなたの周りにバーチャルオフィスを活用してビジネス活動をしている人がいるなら、実際に利用しているからこそわかるメリットやデメリットについて質問してみではいかがでしょうか?
他にも、ブログやコラム、SNSの書き込み、雑誌などの関連記事も失敗しないためのバーチャルオフィス選びの参考になると思います。