
鈴木琢也さん
子どもたちが自分らしく過ごせる居場所を目指して
児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する株式会社笑仲理 代表の鈴木琢也さん。中学時代の不登校経験や障害福祉の現場での経験を経て、2023年に児童発達支援施設を開業し、特権を持った子どもたちが自由に遊び、のびのびと成長できる居場所づくりに取り組んでいます。
今回は、起業の経緯や事業への想い、ワンストップビジネスセンター横浜店を選んだ理由、そして大切にしている働き方についてお話を伺いました。
鈴木 琢也さん
株式会社笑仲理 代表
神奈川県川崎市在住
ご利用店舗:ワンストップビジネスセンター横浜店
中学時代の不登校を経験後、大学で障害福祉や幼児体育を学び、保育園で体操講師として勤務。その後、営業職やコンサルティング会社を経て、児童発達支援・障害福祉の分野で経験を積む。2023年に株式会社笑仲理を設立し、児童発達支援・放課後等デイサービスを開業。「特性ではなく特権」という考えのもと、子どもたちが自由に遊び、さまざまな経験を通して成長できる居場所づくりに取り組んでいる。

「こんな場所があったらよかった」自身の経験が起業の原点
まずはこれまでのお仕事経験について教えてください。
大学では障害福祉や幼児体育を学び、卒業後は保育園で体操の先生として約4年間働きました。その後、営業職やコンサルティング会社なども経験しましたが、最終的に長く携わったのは障害福祉や児童発達支援の仕事です。
営業職は自分には向いていないと感じて半年ほどで退職し、その後は発達障害の子どもたちを支援する施設で運動療育に携わりました。転職は7回ほど経験しましたが、どの職場でも「もっとこうしたい」という想いが強くなっていきました。
児童発達支援の仕事を始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか
その原点には、自分自身の経験があります。私は中学時代、不登校でした。学校にはほとんど通えませんでしたが、クラブチームで野球を続けていて、そのつながりで高校へ進学しました。高校では寮生活を送ったことで、なんとか学校へ通うことができました。その後は附属大学へ進学し、今につながる障害福祉や幼児体育を学びました。
自分自身が「こんな場所があったら、もう少し楽だったかもしれない」と感じてきた経験があったからこそ、「子どもたちの居場所をつくりたい」という想いが少しずつ強くなり、起業につながりました。
起業を決意したきっかけを教えてください
正直に言うと、最初から大きな理念があったわけではありません。
同級生の友人に相談したとき、「やっちゃいなよ」と背中を押されて、「じゃあやってみよう」と決意しました。
2022年に法人を設立し、前職で働きながら施設の準備を進め、2023年4月に児童発達支援施設をオープンしました。採用や内装工事、行政手続きなどを並行して進める毎日で、とにかく走り続けていましたね。

「特性ではなく特権」。思い切り遊べる場所をつくりたい
現在の事業内容について教えてください。
現在は、未就学児を対象とした児童発達支援と、小学生向けの放課後等デイサービスを運営しています。
特徴は、「運動療育」を通じて、子どもたちが思いきり遊べる環境を大切にしていることです。跳び箱を滑り台にしたり、鉄棒をブランコにしたりと、遊びの中で自然に体を動かし、さまざまな経験ができる場をつくっています。
施設づくりで、一番大切にしていることは何ですか。
私は「特性」を「特権」だと思っています。発達に特性のある子どもたちだからこそ、この場所では周りを気にせず、思いきり遊び、たくさんの経験をしてほしい。危険なことも、ただ止めるのではなく、経験することで学べることがあると考えています。
子どもたちは昨日できたことが今日はできず、また別の日にはできるようになることもあります。一人ひとりの成長に寄り添いながら、その子らしく過ごせる場所でありたいと思っています。
今後の展望について教えてください。
今は施設を増やすことよりも、まずは今の施設を大切にしたいと考えています。
もちろん、利用者が増えれば新たな施設が必要になることもあるかもしれません。しかし事業を大きくすることが目的ではなく、自分の目が届く環境で、一人ひとりの子どもたちと丁寧に向き合っていきたいと思っています。

きっかけは「住所問題」だった
バーチャルオフィスを利用した理由を教えてください。
法人を設立するには登記住所が必要でした。ただ、自宅住所を公開することには抵抗があったんです。
そこで会社設立をサポートしてもらっていたfreeeさんから、バーチャルオフィスというサービスを紹介していただきました。
正直、当時は比較検討もしていません。「そんなサービスがあるんだ」と思って、そのまま利用を決めました。
ワンストップビジネスセンター横浜店を選ばれた理由はありますか。
横浜店・横浜桜木町店・川崎店で迷いました。
その中で横浜店は受付スタッフの方が常駐されていて、郵便物の受け取りもしやすかったんです。
横浜駅はアクセスも良いですし、何かあった時に立ち寄りやすい。そういった利便性が決め手でした。
実際に利用してみた感想はいかがですか。
すごく助かっています。
郵便物の転送もありますし、受け取りに行った時もスタッフの皆さんがとても丁寧なんです。暑い日に冷たいお茶をいただいたこともありました。
私は利用頻度が高いわけではありませんが、行くたびに気持ちよく対応していただいています。
料金面も含めて、本当にありがたいサービスだと思っています。

自分らしく働き、自分の経験を誰かの力に
起業してから、働き方や生活はどのように変わりましたか。
起業当初は資金繰りが厳しく、仕事が終わった後にアルバイトをしていた時期もありました。
それでも少しずつ事業が軌道に乗り始め、起業から約3年が経った昨年、ようやく単月で黒字になりました。
今では家族と過ごす時間も少しずつ増え、自分が本当にやりたい仕事に向き合えるようになったことが、一番うれしいですね。
この仕事を通して実現したいことを教えてください。
自分の経験が、誰かの希望につながればいいと思っています。
私自身、中学時代は学校へ通えない時期がありました。それでも今こうして会社を経営しています。
だからこそ、「学校に行けなくなったらどうしよう」「この先どうなるんだろう」と不安を抱える子どもや保護者の方に、「大丈夫」と思ってもらえるような存在でありたいですね。
最後に、起業を考えている方へメッセージをお願いします。
迷っているなら、一度やってみてもいいんじゃないでしょうか。
もちろん簡単ではありませんが、やらずに後悔するより、挑戦してみることのほうが大切だと思います。
そして、今はオンラインで何でもできる時代ですが、できるだけ人と会ってほしいですね。私自身、人付き合いは得意ではありませんが、起業してから本当に多くの人に助けられてきました。
人とのつながりを大切にしながら、自分が「やりたい」と思うことに挑戦してほしいと思います。
取材を終えて
「やってみよう」という一歩から始まった鈴木さんの挑戦。その言葉どおり、不登校や転職、起業直後の苦しい時期を乗り越えながら、自分が本当にやりたかった「子どもたちの居場所づくり」を形にされてきました。
「特性ではなく特権」という言葉が印象的でしたが、その背景には、自身の経験を誰かの希望につなげたいという、まっすぐな想いがあります。一人ひとりの子どもたちと丁寧に向き合う姿勢からも、鈴木さんらしい施設づくりへの信念が伝わってきました。
起業には不安や苦労もありますが、その先には、自分らしい働き方や人生を実現できる可能性があります。鈴木さんの歩みは、そのことを改めて教えてくれたように感じたインタビューでした。


