吉田理宏さん

経営コンサルタント業です。分野は採用、教育、チームビルディングなど、組織や人材に関することです。最近は「どうやって社員に長く活躍してもらうか」ということが得意領域になっています。

自身のキャリアを棚卸しすると、新卒として大手経営コンサルティング会社に就職しました。そこでクライアント企業の採用や教育を支援していました。約35年前には「人手不足倒産」という言葉が流行っていました。売上は伸びているのに人が採用できず、仕事を受けられなくなって業績が悪化するという状況です。

特にベンチャー企業は知名度も低く規模も小さいので、安定志向の強かった当時は不人気でした。こうした採用に苦慮するベンチャー企業の採用支援が私の仕事の始まりでした。その仕事を続ける中でベンチャーの採用支援で勝負していこうと決めて、1995年に独立して自分の会社を立ち上げました。

はい、そうですね。大学時代から自分で事業を起こしたいと思っていて、社長になろうと決めていました。ただ、学生の期間には何の準備もしていなかったので、経営の勉強ができそうな経営コンサルタントの会社に入りました。

当初は3年くらいしたら独立するつもりでしたが、予想以上に会社が楽しくて、結果的に31歳で独立しました。毎年「もう1年この会社にいた方が力がつくだろう」と自問しながら6年ほど延ばしました。

創業以降、まずはインキュベーション施設のようなシェアオフィスを使って東京都中央区銀座に本社を置きました。地方企業の採用支援をしたかったので、銀座という立地は信頼を得るのに役立ちましたね。スタッフを自社雇用していた時期は執務スペースがある方がよかったので、賃貸オフィスを契約していました。

その後、経営体制の刷新を行い、自社雇用のスタッフを0にしました。そのことをきっかけに、バーチャルオフィスの利用を開始しました。

そうなんです。自分自身の執務スペースを確保するべく賃貸オフィスやシェアオフィスを利用していましたが、自然と外部の執務スペースが不要になりコストの無駄が発生している状態になっていました。かつ、自宅の住所は引き続き名刺に書きたくなかったので、バーチャルオフィスを検索して、ワンストップビジネスセンターを見つけました。

主に3つのポイントを重視しました。まず金額が高過ぎないことですね。それから郵便物や宅配物を受け取ってくれること、本社登記ができることです。

何社か比較しましたが、ワンストップビジネスセンターは金額とサービス内容のバランスがとても良いと感じました。また、料金設定が分かりやすいのも決め手となりました。

約5年利用していますが、サービスにはとても満足しています。コストを抑えながら、信頼性のある事業基盤を維持できるのが大きなメリットですね。自分で郵便物を引き取りに行ける店舗を選んだので、当日受け取りたい郵便物があれば店舗へピックアップに行っています。

転送サービスには当初それほど期待していなかったのですが、今では非常に便利で値段以上の価値があると感じています。もしかしたら、現在御社のサービスに対して一番価値を感じているのはそこかもしれません。

はい、大きな変化がありました。そもそも直行直帰と自宅での執務を想定してワンストップビジネスセンターに切り替えましたが、クライアントとの会議もオンライン化が進みました。その結果、場所を選ばずに仕事ができるようになり、生活の質が向上しました。例えば、以前はほとんどできなかったゴルフを楽しむ時間も取れるようになりました。

正直、サービスへの不満はないんです。ただ、時々事務所をなくしたことによる孤独感を感じることがあります。オフィスにいれば自然と生まれる他の人とのコミュニケーションや偶発的な出会いがなくなってしまったことは少し寂しく感じます。オフィス共有サービスのユーザーにはそういうユーザーも多いと思うので、起業したばかりの人と、3年以上利用しているユーザーを繋ぐようなマッチングサービスがあるといいかもしれません。

起業家は情報収集が得意ですが、どこにも属していないという孤独感もあります。そこを埋めるような何かがあれば、新たなビジネスチャンスも生まれるのではないでしょうか。